いっそ嫌いと言ってくれ 【土方十四郎】

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土方さんが好き、それは紛れもない事実だ。
 
真選組(ここ)に居場所を見つけるまで荒んでいた私の面倒を見てくれた人。
いつからだろう自分にも他人にも厳しいその姿に、不愛想ながらも時折見せる柔らかい表情に、優しさに惹かれ始めたのは。
 
 
 
「俺としてもお二人には是非くっ付いて貰いたいんですがねィ...
早く恋に現を抜かしやがれ土方ァ〜そんでその隙に俺がお前の首叩き斬ってやる」
 
「人の恋心を副長暗殺計画に利用するのやめてくれる...！？」


 
そもそもくっ付くだなんて無理だから。

好かれようとか恋仲になりたいとか、何も其処まで望んでいる訳じゃない。ただ少しでも良い印象を持って欲しいだけ。好きな相手に自分から嫌われようなんて思う女性は中々いないだろう。
でもどうしても出来ないのだ。いざ本人を前にすると口から皮肉ばかりが飛び出してくるし照れ隠しでつんけんした態度ばかり取ってしまう。
 
 
 
「なんか色々と面倒くさそうですねィ。恋愛なんて俺は絶対したくねーや」
 
「...そうね」
 
 
 
恋をするかしないか自分の意思で選択する事が出来たならば、私だってしない方を選ぶと思う。
実らない恋なんて虚しいだけだ。...まして、その想い人に好いたひとがいるのなら尚更。



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