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休日の街にはいつもより大勢の人が行き交っていた。
...そういえばこの辺りに新しく和菓子専門店が出来たって万事屋の旦那が言ってたなぁ。甘い物好きとしては是非行きたいものだが今は任務中である。土方にバレたら間違いなく切腹だろう。

と、その時。Aの視界の端に店の軒下に蹲る小さな影が映った。



「ねぇ、こんな所でどうしたの?」



声を掛けると子どもはゆっくりと頭を上げ、涙でぐしゃぐしゃになった顔を晒した。歳は五つ位だろう、しゃがみ込み頬を伝う雫を拭ってやるとびくりと肩を震わせた。



「っ...おうち、どこかわからなくなっちゃった...」

「お姉さんが一緒に探してあげようか?」



小さく頷く子ども。山崎へ連絡すると意外にもあっさり了承してくれた。
日没まで時間はまだたっぷりある、それに早く家まで送り届ければいいだけの話だ。Aが手を伸ばすと子どもは恐る恐るといった様子でそれを取った。



「じゃあ、行こっか」







休日だからなのか家族連れとよくすれ違う。何処でも目にする当たり前の光景だが、家族で出掛けたことなど一度もなかったAには少しだけ羨ましく思えた。
街を彷徨き始めて20分程経った頃、一軒の建物の前で子どもがあっ、と小さく声を上げた。



「どうしたの?」

「あそこ...!」



人差し指の先には古い建物に店らしき看板。どうやら此処が自宅らしい、繋いでいた手を離すと嬉しそうに駆けて行く。しかし次の瞬間、Aの両目は驚愕に見開かれた。



「此処って...まさか」



"薬屋 紫呉(しぐれ)堂"

看板に大きく記されたその名前には聞き覚えがあった。それもそのはず、山崎から聞いていた今回のターゲットの経営する薬屋だったのだから。



.

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設定タグ:銀魂 , 土方十四郎 , 真選組   
作品ジャンル:アニメ
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マツリ(プロフ) - Hiさん» 返信遅くなってしまいすみません🙇🏻‍♂️一気見ありがとうございます...!!嬉しいです! (3月3日 0時) (レス) id: 07cc4afb9c (このIDを非表示/違反報告)
Hi(プロフ) - とても面白いお話で今日一気見しました、、!!! 続き楽しみにしています(*^^*) (2月23日 3時) (レス) @page37 id: c9fcf96ef3 (このIDを非表示/違反報告)
マツリ(プロフ) - Honokaさん» ありがとうございます...!私も報われて欲しいです😂 (8月26日 22時) (レス) id: 07cc4afb9c (このIDを非表示/違反報告)
Honoka - 続き楽しみにしてます!!夢主ちゃん報われるといいな、、、、 (8月26日 16時) (レス) id: c2fc80e477 (このIDを非表示/違反報告)
マツリ(プロフ) - ななしさん» ありがとうございます!更新頑張りますね...! (2023年1月5日 12時) (レス) id: 153e8c8a98 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:マツリ | 作成日時:2021年7月16日 16時

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