バレンタインデー。 ページ3
「坂田くん!これ、受け取って!!」
「私のも!!
「私も〜!本命だよ!!」
今日はバレンタインデー。
教室に入るなり、たくさんの女子がさかたんの席に集まる。
そして、チョコを欲する男子たちもその女子達に群がり、隣の私にとってはいい迷惑。
荷物を置きに行く振りをして輪から離れる。
……あんなところ、見たい訳ないじゃん。
さかたんへのチョコが入った紙袋をぎゅっと握りしめる。
「……さっさと渡せば良いのに」
後ろから声がした。
「うらた」
「なーにびびってんの。はいって言って渡せばしまいじゃん」
「……そんな、軽い気持ちじゃないんだけど。……あっ、うらたもどーぞ」
そう、気持ちが重いからこそ今更伝えられない。
「何だよ、坂田のと全然違うじゃん」
「ラッピングだけだよ。中身はおんなじ」
「あーあ、俺は義理かぁ」
いやいや、友チョコだと思って欲しいんだけどなぁ。それに。
「うらたには、ほんとに欲しい相手が居るでしょ」
「……だってあの子、坂田に本命あげてたもん」
「……バレンタインなんて無くなれば良いのに」
「ほんとにな」
……そういううらたの机にも山盛りのチョコが乗ってる。
盛り上がりが一段落着いたらしいさかたんがこっちに近づいてきた。
両手には溢れんばかりのチョコが入った紙袋。
「坂田……すげぇな」
「うらさん、おはよ。うらさんも自分の机見てきぃや。それと、隣のクラスの子が本命渡したいらしいで。……なぁなぁ、Aは俺にくれへんのー?」
うらさんに渡してるの見とったんやけど、とさかたんが口を尖らせる。
そんなに沢山貰ってるくせに。ちょっと、ムッとする。
きっと、半分以上が本命チョコなんだろうなぁ。
「そんなにあったら、私のまで食べ切れないでしょ」
「いやや!欲しい!!」
ぎゃあぎゃあ騒ぎ立てるさかたんに無言でチョコを差し出すと。
「やったぁー!やっぱり、俺のもあると思ったで!!」
「……まぁ幼馴染みだし、一応。本命じゃないからね?」
嘘付け、って目でこっちを見てくるおちびくんは無視。
「あっ、うらたくん!チョコどーぞ!!」
うらたを見つけて駆け寄ってきたのは、彼の想い人、櫻井さん。
「……ありがと」
無愛想にしながらも、その頬はほんのり紅い。
目が合ったから笑ってやった。さっきのお返しだよ。
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サク(プロフ) - やさん» 了解しました!こちらこそ理解力がなくすみません。恐らくLIVE仕様などになるかと思いますが是非続編にて書かせて頂きます!素敵なリクエストありがとうございます! (2019年8月25日 13時) (レス) id: b15236861c (このIDを非表示/違反報告)
や(プロフ) - サクさん» わかりにくくすみません。坂田さんが夢主に対して嫉妬するという設定です、、! (2019年8月24日 5時) (レス) id: 8d18ba62e8 (このIDを非表示/違反報告)
はるねこ。(プロフ) - サクさん» いえいえ、、、!素敵なお話をありがとうございます!!思っていた通りで楽しく読ませて頂きました!これからのお話も楽しみです♪これからも応援しています!! (2019年8月24日 1時) (レス) id: 275c852316 (このIDを非表示/違反報告)
サク(プロフ) - やさん» リクエストありがとうございます!お話が満タンなので続編にて書かせて頂きますね!しかしすみません、少しリクエストの意味が汲めてないです汗 どちらがどちらに嫉妬するのでしょうか??理解不足で申し訳ありません! (2019年8月24日 1時) (レス) id: b15236861c (このIDを非表示/違反報告)
や(プロフ) - こんばんは〜いつも愛読しております!今回リクエストの方初めて送らせていただきます。夢主がリスナー設定の「嫉妬されて喧嘩する」お話が見たいです!いつでも大丈夫なので更新できるときによろしければ、、!応援しております! (2019年8月23日 17時) (レス) id: 8d18ba62e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サク | 作成日時:2019年2月14日 8時