続 ページ27
赤視点
俺には親友であり幼なじみであり戦友がいる。
それがはしもっちゃんだ。
俺とはしもっちゃんはサッカー部に入ってるんだけど、キャプテンの俺に何かあった時には副キャプテンとして俺のことを支えてくれる。
それに熱が出たり怪我をして学校を休んだ日には放課後に俺の家に来てわざわざ料理を振舞ってくれて、世話をしてくれる。
俺にとってはしもっちゃんは居ないと困るというか、居ないと生きていけないくらいに大切な存在だ。
はしもっちゃんは俺のことどう思ってるんだろうな…
はしもっちゃんは俺も含めた全世界の人類に優しいんだ。
だから、俺のことをそんなに特別にも思っていないかもしれない。
はぁ…
「あ、あの!!」
「今日の放課後、校舎裏まで来てくれませんか…!!」
あぁ、まただ。
なんで皆俺のことを好きになるんだろ。
どんなに綺麗で性格がよくて素敵な人でも、俺は好きになれない。
だって俺の心にはいつだってはしもっちゃんがいるから。
「好きです!付き合ってください…!!」
「ごめん。俺好きな人いるんだ。」
「で、でも!!私、その人よりも井上先輩のこと幸せにできます!!」
「井上先輩のためなら誰よりも可愛くなります!!」
「そういうのじゃダメなんだ。俺、その人よりも好きになれる人なんて居ないから。ごめんね。」
いちいちこんな告白なんかに付き合ってたらはしもっちゃん待たせちゃうじゃん。
俺毎日はしもっちゃんと帰る時間楽しみにしてるのに。
「瑞稀ー!!」
「はしもっちゃん」
「なんだよー。また告白されてたんだろ?んで、OKしたの??」
「OKするわけないじゃん。断ったよ」
「えー、また??瑞稀もそろそろいい人見つけなよね。瑞稀はモテモテなんだしさー、なんで断んのさぁ」
「そういうはしもっちゃんだって彼女いないじゃん。はしもっちゃんも十分モテモテなのにさ?」
「んー、俺女の子と付き合うってなんか違うんだよね」
「どういうこと?」
「なんか、女の子がハマらないというか、そんな感じ??」
「そっかぁ…」
俺が女の子たちを振るのははしもっちゃんのことしか考えられないからだよ。
はしもっちゃんのせいなんだからね?俺が彼女つくんないの。
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作者名:ひきにく | 作成日時:2020年11月8日 20時