ラテより甘い恋の味松/村/北/斗 (ページ19)

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北斗くん(北斗は馴れ馴れしすぎるから君付け)とお出かけしてから数日後の今日、私は彼が来てくれるというモチベによって少し楽しみになったバイトをこなして帰る、つもりだった。

「Aちゃーん！あっちのお客さんにこれ運んで～！」
「はーい！」

コーヒーを2つ持って、高地さんに頼まれたお客さんのところへ行く。

明らかに強面のお兄さん2人組で思わずたじろいだが、笑顔でコーヒーを置いた。

「お待たせしました、コーヒー2つです」

2人ともこちらに見向きもしなかったので「ごゆっくりどうぞ」と言ってその場を去った。

しばらくすると、ガンッと思い切り机を蹴る音と同時に怒鳴り声が店中に響き渡った。

「おい！さっきの姉ちゃんいねぇか」
「はい、どうかされましたか？」
「俺頼んだのブラックなのに、なんで砂糖入れてんだよ！」
「…え？」

嘘でしょ、またこのパターン？
前回の記憶がフラッシュバックして、私はまた固まることしかできなかった。

お願い、誰か助けて…

「お兄さんさっき砂糖入り頼んでましたよね？」
「樹…」

振り返ると、樹がとても怖い顔をして立っていた。

「そんな証拠どこにあんだよ」
「俺が受け答えしてたんでわかります、領収書にも書いてあると思いますけど」
「う、うるさい！」

そういうとお客さんの1人が樹に向かってコーヒーを撒いた。
お店がパニックになる中私は樹に駆け寄り、2人で身を強張らせる。

もうダメだと思った時だった。

「それ以上やると警察呼びますよ」

気づくと横には、スマホ画面に緊急連絡画面を表示して構えている北斗くんがいた。