ラテより甘い恋の味松/村/北/斗 (ページ1)

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甘い？ページ1

ポカポカ暖かい春の陽気に包まれて、こんないい天気なのにも関わらずお客さんが全然来なくてあまりの暇さ加減にレジでうとうとしていると、突然私の背中に鈍い痛みが走った。

「いったぁ、ちょっと田中くん！もう少しいい起こし方あるでしょ！」
「いやA先輩が寝てるのが悪いんすよ笑あと30分でシフト交代だし頑張ってください笑」
「だからってメニュー表で叩かなくても！」
「怒んないでくださいよ～せっかくのかわいい顔が台無し笑」

なんて言いながら頭をポンポンしてくる彼は、同じ大学で一つ下の後輩の田中樹くん。うちの学校じゃ有名な遊び人で、たまに大学で彼を見掛けるときは必ず横に女の子がいる。しかも見る度絶対違う子。
それはそれは女の子扱いになれてるわけで、気安く頭ポンポンとかできるんだろうけど、生まれてこの方恋愛経験ほぼゼロの私にとっては距離の近さにいつも驚かされている。
かわいいだなんて容易くいうもんじゃない。

あと5分、、、早く終わってくれと机に寝そべりながら心の中でカウントダウンを始めたときだった。

カランカランと少し寂しい音を立ててドアが開き、私は慌てて飛び起きる。

「いらっしゃいま～…あ」

いつもの彼がやってきたのは。