２.ストーカーの正体 ページ7
｢おつかれさまでしたー｣
｢はーい。気をつけて帰るんやでー。｣
バイトも終わり、いつも通り帰り道を歩く。
その頃にはもうストーカーのことなんてさっぱり忘れていた。
＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿＿＿
｢ふぅー｣
夜ご飯は賄い食べたし、
お風呂に入る前に洗濯機回して、お風呂入って、
上がったら乾燥機に放り込んで、明日の朝たたもうかな。
家に着いてソファーに座りながら
物事を計画通りに進めるのが好きな私は、そんなことを考えていた。
＿＿＿＿ピーンポーン
？
誰だろ、こんな時間に
うちのアパートはまぁまぁなオンボロで、
カメラ付きインターホンなんて高価なものは付いていない。
来客なんてほとんどないから、不思議に思いながらインターホンに出る。
｢はい｣
｢あ、こんばんは
２０３号室のものですけど｣
２０３ ？
ってことは隣か。
隣っていっても話したこともなければ、顔さえ見たこともない。
｢今開けますね｣
何の用だろう
＿＿＿＿＿＿ガチャ
｢！！！｣
え、待ってどういう状況？
目の前に立っているのは
｢こんばんは！｣
と言って爽やかに微笑むあの王子だ。
｢え、隣ってあんただったの？
……何か用ですか？｣
｢今晩、泊めてください！｣
｢は？｣
｢だから、今晩泊めてほしいんねん！
いいやろ？｣
………何言ってんだこいつは。
｢いいわけないでしょ。お帰りください。｣
｢え！なんで！？
俺のこと好きなんちゃうん！？｣
.........何、このナルシスト野郎
心底不思議そうな顔をしているこの人の頭の中が
まっっったくわからない。
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作者名：まこ | 作成日時：2016年11月8日 14時
