6.体育祭 ページ43
「わかってたよ
わかってて、Aに言ったの。」
「え、」
「Aってばわかりやす過ぎるんだもん
なのに自分では気付いてないしね」
私がこの気持ちに気付くように、わざと.........?
「どうして?
舞も小瀧のこと好きなのに、
どうして、私の手助けをしたの?」
「うーん。Aの方が大事だから、かな?
それにわたしは小瀧ファンだからね
好きじゃないの」
嘘ついてごめんねといたずらに笑う舞。
舞といい、さやといい、
私はどれだけ恵まれているんだ
「ありがとう、舞」
「もーいいってばー!
ほら!早く行かないと応援合戦始まっちゃうよ?」
「うん、ありがとう」
「がんばるんだよ」
舞にそう応援されて私は観客席へと走る。
「あーあ、
好きだったなぁ」
舞がそう呟いた言葉は、誰にも聞こえることなく
空に消えていった。
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「おかえり。
用は終わったの?」
「うん、終わったよ
ありがとう、さや」
観客席に着いてさやにそう言うと
「そっか」
それだけ言って優しく笑ってくれた。
無理に聞いてこないのは、きっとさやの優しさ。
「あ、ほら小瀧だよ」
「うわ、、」
小瀧が好きだと自覚した今、
目に映る学ラン姿の小瀧はあまりに輝いていて。
真剣な顔をした小瀧は、人の心を惹き込む力があった。
私の視線に気付いたのか、小瀧がふとこちらを見る。
「それはずるい……」
目が合って少し微笑まれただけで、
こんなにも息苦しくなる私はきっと重症だ。
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作者名:まこ | 作成日時:2016年11月8日 14時