６.体育祭 ページ38
練習中、
ふと目をやると、小瀧が一生懸命声を出して練習している。
昨日の夜も、
声を出し過ぎて喉が痛いから
と、のど飴を大量に食べ続けていた。
やり方はバカ丸出しでも、一生懸命さが伝わって来る。
声を出し、手を振り、旗を振る小瀧をボーッと見ていると
｢Aって、小瀧くんのこと好き？｣
舞がそんなことを聞いてきた。
｢え、好きじゃないよ｣
考える間もなくそう返事をすると、
｢そっか
わたしね、小瀧くんのファンじゃないよ｣
と、舞が言う。
｢あ、そうなの？｣
てっきりファンなのかと思ってた。
｢うん、
好きなの。
ファンじゃない。本気で好きなの｣
あー、そう言うことね。
｢Aとは恋敵になりたくないから、言っておこうと思って｣
｢私はあいつなんか好きにならないよ
応援するよ、がんばってね｣
応援するよ
この言葉は本当に思った言葉。
舞はいい子だし、その思いが届くといいなって素直に思った。
だけど、何故か心の中で、違和感のようなしっくりこない気持ちを感じていた。
＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿＿＿
｢ただいまー｣
｢Aちゃん見て見て！！｣
家に帰ると、リビングから玄関に走ってきたのは学ランを着た小瀧。
明日の衣装らしい。
｢え、ノーコメント？
何か言うてや〜｣
｢あ、うん。いいね｣
｢やんな！！
いや〜、ここまで似合うとは
自分でもびっくりした｣
相変わらずな小瀧は置いといて
学ランを着ている姿は悔しいけど似合っている。
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作者名：まこ | 作成日時：2016年11月8日 14時
