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6.体育祭 ページ34

「お嬢さん、新婚生活はいかがですか?」




終礼中、さやがふざけた事を聞いてくる。




「毎朝、起こすまで起きてこないし、体も声もでかいし大変だよほんとに。


てか、新婚じゃないし」





「ふふ、まんざらでもなさそうだけど?」




「ちょっと、やめてよ、」




なんて話しているといつの間にか終礼が終わったみたいで




「後ろの黒板に紙貼っとくから、

適当に名前書いとけよー
1人一種目までだからな!


あ、リレーは俺が決めたから!

それから、応援団やりたい人は俺のところまで来ること!



書いたやつから帰っていいぞ〜」




と、先生が教室から出て行った。




そしてぞろぞろと、皆が後ろの黒板へ向かう。






そう、今年も体育祭がやってきた







……憂鬱だ。



体育祭が嫌いなんじゃない。




文化祭と同じぐらい盛り上がるし、

むしろイベントは好きな方だ。



だけど、






「うわー、やっぱりか……」



「さすが、A


リレーメンバーじゃん」





「もうやだやめたい帰りたい」




無駄に足が速い私は、

去年と同様、今年もリレーメンバーに選ばれた。





足が速いならいいじゃんって?



たしかに、クラス対抗リレーは競技の中では一番盛り上がる。



でも、どうしても走りたくない理由がある。







ここで去年の私を説明しよう。





中学時代、陸上部だった私は

当然のようにリレーメンバーに選ばれた。



おまけに同じクラスのサッカー部の男子を差し置いて、アンカーにまでなったのだ。



走るのは大好きだし、皆にちやほやされるし、

私は当日が楽しみで仕方なかった。




そして、いざ本番となったとき。





バトンは1位で回ってきた。




なーんだ、いっぱい抜かして気持ち良く終わりたかったのに





なんて調子に乗ったことを思いながら走っていると









___ドテ







こけた。





あまりの膝の痛さに、なかなか立ち上がれないでいると、

次々と抜かされ結局最下位になってしまった。



あの後の気まずさと言ったら相当なもんだ。





それなのにまた今年もなんて、





去年みたいになって



最下位の人は全力で応援する

みたいな変なお決まりの声援を受けて……








「そんなの嫌!!!」





「うわ!びっくりした

なんなのA、急に叫ばないで。」






「あ、ごめん」

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作者名:まこ | 作成日時:2016年11月8日 14時

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