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5.掟 ページ33

「おじゃましましたー」



「望、馬辻さんありがとう」






「いえいえ、また来てね」


「ばいばい流星、さや!」







___バタン




背後霊を見終えて、さやと藤井くんが帰っていった。




「あーたのしかった!」



そういう小瀧の顔は本当に楽しそう






「さ、後片付けしないと」




そう言って机の上にあるコップに手を伸ばすと







___パシ




小瀧にその腕を掴まれた。








「な、何?」





「その前に話すことあるよな?Aちゃん?」





「話すこと?」






何のことかわからなくて聞き返すと





「何で困ってたん?」





「え?」





「流星に助けてもらったんやろ?」





「あぁ、それはえーっと」





理由が理由だけに何だか小瀧には言いづらく、
ごまかそうとして腕を解こうとすると


小瀧がぐっと腕に力を入れる。





「流星には言えて、俺には言われへんの?


言ってくれるまで離さへん」




そう言って真っ黒の瞳で、私の目を見つめてくる小瀧。




耐え切れなくて、




「あー、もう!


あんたの熱狂的なファンに追いかけられてたの!」



言ってしまった。





「俺のファン?」




「う、うん。二人乗り見られたからね」






「二人乗りって…




そんな前から!?」





そう言ってへなへなとしゃがみ頭を抱えこむ小瀧。




「小瀧、?」





「全部俺のせいやん


なんでもっと早く言ってくれへんかったん、」




「まぁ、何とか逃げ切れてたし…」




「ごめん、Aちゃん」





心底申し訳なさそうな顔をする小瀧に、


何故かこっちが申し訳なくなってきた。




「いや、小瀧が謝ることじゃないでしょ」




「ううん、俺のせい。

よしわかった。掟に追加しよ!」




そう言ってペンを取り、

壁に貼ってある紙に書き加える。






「6.学校では他人のふり…」





「そう、女の子たちには俺から言っとくし


もう大丈夫。」





「あ、ありがとう」





「よし、お風呂入って来よかな!」




そう言って、小瀧はお風呂へ向かっていった。





「他人のふり……か。」





まぁ、魔の追いかけ隊も消える訳だしこれでいいんだよね





何だか複雑な気持ちを押し込めて、後片付けを始める。







コップを片付けている右手首が何故か熱かった___。









「ていうか触れちゃダメって言ったのに。」

「あ、忘れてた☆」

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作者名:まこ | 作成日時:2016年11月8日 14時

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