4.王子と私の一週間 ページ17
「う……」
あー、いつの間にか寝ちゃってたんだ。
「背中痛、」
床で寝ていたせいで背中が痛い 。
今何時だろ
そばにあった携帯を見てみると
「!!!
やばい遅刻だ!小瀧!起きて!」
「んぇ?なにぃ?」
「なにぃじゃないって遅刻するよ!」
「え!俺寝てた!?」
バタバタと用意をして部屋を飛び出す。
「俺自転車やから後ろ!乗って!」
「いやいいよ走る」
「なんで!!」
「.........事故りそう」
「何言うてんねん!
超安全運転やわ!!
映画に付き合ってくれたお礼!ほら早く!」
そういって荷台をポンポンと叩く。
「じゃあ…ありがと」
「よし!しゅっぱーつ!!」
家を出て少しすると、大きな坂がある。
両端には桜の木が並んでいて
その坂を下りきったところで左に曲がると、門が見える。
「坂やからちゃんとつかまって」
そういって荷台に置いていた私の手をとって小瀧の腰にまわさせる。
「ちょ、」
男の人にこんなに近づく事に慣れていないからか
なんだか落ち着かない。
それにしても
「気持ちいい…」
「やろ?」
暖かい風が頬をかすめていくのが心地良い。
あまりの心地良さに私は大事なことを忘れていた。
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作者名:まこ | 作成日時:2016年11月8日 14時