検索窓
今日:5 hit、昨日:1 hit、合計:433,671 hit

4.王子と私の一週間 ページ13

「Aちゃんおはよー」





洗濯物をたたんでいると小瀧が起きてきた。





寝起きも爽やかだなおい




「いくらかっこいいからってそんなに見つめんといてや〜」





「黙ってればかっこいいのに」





「いやんも〜朝から褒めすぎやって〜//」




「………。」





私は無視してたたみ続ける。





「あっ、無視せんといてよ


Aちゃん朝から洗濯物なんてえらいな

俺も手伝う!」





「たためるの?」





「当たり前やん!」






のんちゃんがんばっちゃうぞ〜なんて言って私の横でたたみ始める小瀧。








「あっ!Aちゃんのブラジャー見っけ!」



___バシッ




「痛っ!そこ昨日怪我したところ!!」









「よし」


なんとか洗濯物をたたみ終える。





「おわったー!のんちゃんがんばった褒めて!」





「でっかい体してのんちゃんとか馬鹿じゃない?


さ、朝ごはん朝ごはん」





「もー、そんなこと言わんといて!



って、Aちゃん、

俺のも…ある…?」


「ない」





「え!

即答!え!」




「うそうそ

洗濯物のお礼ね。」





「やったー!ありがとAちゃん!」





びっくりした顔したり笑ったり朝からうるさいやつだけど

おもしろいやつかも




………待て。

何まんざらでもない感を感じてるんだ私。



小瀧望、恐るべし。









「「いただきまーす」」



「うわ!Aちゃんこのウィンナーうまい!」





「……焼いただけだけどね」





「え、あ、このパンも!」





「それも焼いただけだけどね」





誰かとこうして向かい合って朝ごはんなんて久しぶりだなぁ


昔はよく家族全員揃って食べてたっけ。




「……ちゃん!

Aちゃん、聞いてる?」





「え?ごめん、なんて?」





「だから、誰かもわからんのに傘で戦おうとしたらあかんよ。

俺じゃなかったらAちゃん死んでた」





「そんな大げさな」





「全然大げさじゃないって!


Aちゃん女の子なんやから。」





「女の子……」





「ま、もう俺がいるから安心やけど


ごちそうさまー!あーおいしかった!」




"女の子"

そんなこと言われたのいつぶりだろ。


慣れない言葉が頭の中で何度も響く。



「Aちゃん?

何ボーッとしてんの、学校遅れんで?」




「あ、うん」




頭から離れないその言葉をかき消すように

私は残っていたパンを詰め込んだ。

4.王子と私の一週間→←3.ありえない男



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (131 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
402人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:まこ | 作成日時:2016年11月8日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。