次男からの愛が重すぎて、妹である私の胃は持ちそうにない。【おそ松さん】 (ページ19)

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第17話「第一級フラグ建設者の出現」ページ19

次の日。

ハロワに行くって言ってたチョロ松兄さんが、ついでに私を車で学校まで送ってくれた。助かる。

ついでにチョロ松兄さんは「The 慎重派」なので安定安心の運転手である。
これが一松兄さんや十四松兄さんだったら5回ぐらいは内臓潰れてる。

車から降り、手を振って就活頑張ってねとエールを送った。

就活する人を応援するよ私は。

そして、靴箱。

手紙、増殖。

しかも開けた瞬間にぶわっと出てくるんじゃなくキッチリ揃えられてて、逆に靴入れられなくて超迷惑である。

頬を引き攣らせながら手紙の一つを破りとる勢いで取り出す。
そして中身の確認。

《愛しています。どうしてこの気持ちを分かってくれないんですか》

まずお前が私の気持ちを分かれ。
ビリッと破る。

《君のことなら何でも知っています。今朝は義兄さんに車で送ってもらってましたよね？》

義兄さんって誰だ。まさかチョロ松兄さん？
つーか誰がてめえの妻になった。朝っぱらから書いてんじゃねえよ。
ビリッッと破る。

《愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる。
貴女を僕だけのモノにしたい》

アッその言葉はもう間に合ってます。
被ってんだよバカもっと言葉のバリエーション増やしてこい。
ビリィッッと破る。

…などいった具合に、次々と紙の処分を行った。あー資源の無駄。

急いで手を洗い、昨日と同じように一切の痕跡を残さず全て綺麗にした。

ただでさえ学校はギリギリ許され、他の場所は殆ど制限付きだってのにこんなのバレたらもうお終いだ。

いよいよ監☆禁フラグが建つ。
いよいよこの手足ともお別れだよおおぶえええああ。

放課後も、もう手紙の中身を見る事なく捨て去った。

(友達には「何それ面白。撮るね」と言われまじで数枚撮られた。友人Aはやはり友人Aであり死ね。)

.

《いつか、君に会いに行きます。》

そんな内容の入った手紙もあったが、最早見ることすらしてない私にそんな事を知るはずもなかった。

.

そして、家。
夕食時での出来事。

「A、違う人の匂いする！」

あはは、と笑いながら隣で言った十四松兄さんの言葉にブフッと味噌汁を噴いた。

それと同時にバキャッと逆隣から何かが折れた音がした。

周りが静まり返る中、そちらに目を向けると、無表情で自分の箸を握りつぶす兄の姿があった。

言わずもがな、カラ松兄さんである。