「正 義 の ヒ ロ イ ン 様」 ページ10
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いや〜さっきの目線はともかく、とんでもなく可愛い子が来たなぁ。
しかも私の左斜め前の席。順番的に次は私か?飛びっ切り愛想良くしよう。さあどんと来いや来海さん!
「………」
>>>> まさかのスルー <<<<
彼女は笑顔のまま前を向いた。
私の存在など見えてないかのように、前を向いた。
……ちょ、え?わたし、私は?斜め後ろの私は!?!?
彼女は振り向かない。寧ろ隣の我妻くんにガンガン話しかけている。「前の学校と授業の進み具合違うと思うから、ノートとか見せてくれる……?」「席くっつけても良いかな?」って言っていた。
……それを同性ではなく異性に聞くあたり人見知りとは言えないぞ来海さん。あんたバッチリ話せるやんけ、そして私はぁぁい!!!自己紹介させろよ!!!!(逆ギレ)
休み時間になれば、自然と彼女の周りに人が集まった。
可愛いもんね。それに人当たり良いし(私以外)。()内が非情過ぎて泣けてくる。
彼女を後ろからボーッと観察していたら、バン!!と机が叩かれた。思い切りビビって「ブァッ」と声が出た。女子力は死んだ!もういない!
「何ボーッとしてんだA!!」
「び、ビビらすなや嘴平くんよぉ……!今度は何用だ一体」
「腹減った」
「は?」
「何か寄越せ」
「ちょっおま、お前は山賊かグェッ襟首掴むなグェェ!!!」
乱暴に掴まれぐいぐい引っ張られた。お前の駄々捏ねは一々激し過ぎんだわ!!!
苦しさのあまり白目を剥きかけた時、「や、やめてッ!」との声が聞こえた。
「その手を離して!」
可愛らしい、まるで鈴の音のような声。
それは制止の声だった。天からの声ですか……?
私を掴んでいた大きな手に、横から白く小さな手が添えられた。
可憐な手の持ち主、来海さんは嘴平くんの元まで来ると、彼を見上げるように潤んだ目を向ける。
えっ何で潤んでんの?
「その手を離して。そんな乱暴な掴み方したら、君の手が痛んじゃうよ……?」
…………いや私の心配はーーーーーーーい!!!!!!
私の心配じゃなくて彼の手の心配かーーーーーい!!!!!!
心の中でシャウトした。今世紀最大の声量である。
嘘だろ、普通白目剥いた私より彼の手を心配する??馬鹿力だぞ、握力ゴリラだぞ、腹筋おばけだぞ????
彼女は上目遣いで嘴平くんを見つめる。破壊力はやはり抜群である、これで落ちない男はいないだろ的な。
見捨てられて半ばヤケクソである。
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さゆ - えっ、えぇぇ…すごく面白いです!!更新頑張って下さい! (2021年12月24日 7時) (レス) @page22 id: 49d2dc5d0e (このIDを非表示/違反報告)
ノン - ヤバい。何この神作品。神過ぎる。あっ、ごめんなさい。本音出てました。ということで(え、どういうこと?)すっっっごく面白いです!応援してます!更新頑張ってください! (2020年9月12日 19時) (レス) id: b9bee98473 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - めっちゃくっちゃいいです!!もう、良すぎて鼻水が出てきました(?)続きすごく見たいです、更新楽しみにしてます!! (2020年8月11日 21時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
愛留(プロフ) - とても面白かったです!続きめっちゃ気になります…更新待ってます! (2020年5月23日 16時) (レス) id: 256b0d1c3f (このIDを非表示/違反報告)
うりょ - 続きが気になります!!!! (2020年5月18日 22時) (レス) id: 21c35aca73 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱんこ | 作成日時:2019年9月23日 1時