「不良のせんぱい」 ページ18
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童磨先輩。私の2個上で今年高3の方。レッテル:不良。
昔校舎裏で柄の悪い男達を1人でコテンパンにしているところを見てしまって、その時は死を覚悟したけど何やかんやあってなんか気に入られたましたまる(適当)
「というか君、何でここに居たの?」
「ジュース買いに来ようとしていました」
「お金も持たずに?」
「…………ぐうの音」
「出ちゃったねぇ」
ケラケラ面白そうに笑うがこっちはそれどころじゃない。己の馬鹿さ加減に頭を抱える始末である。無一文で自販機に来て一体自分は何をしようと言うのか。でも今はまだ教室に戻りたくないというのも事実、つまりアレだ、詰みだ。
「仕方ないなぁ、愚かで愛くるしい君の為に俺が立て替えてあげようじゃないか」
「えっ……そのお金は一体誰の物で?」
「俺の物だよ」
「マジで?」
「………」
「本当ですか童磨先輩」
「本当さ」
しぇ、しぇんぱぁ〜〜い!
普通に嬉しい。先輩の奢りですって!先輩の奢り!ぜってえボコった不良から掻っ攫った金だって疑ったけどマジで自分の金らしい!じゃあ高いのにしよ。
好きな炭酸飲料を手に、「えへへあざっす」と笑えば彼もうふふと笑う。
「ところでさ、何か有ったのかい」
笑みを浮かべたまま口にした先輩の言葉にぴたりと足を止める。
「え?」
「何か有ったのかい」
「いや別に」
「嘘だぁ。ほらほら話してみなよ、俺が聞いてあげよう」
「いやマジで」
「………」
えっ何。タメ口は絶対許さないマンなの?
その笑顔の沈黙はそういうことなの?
「………何か有ったというか、なんかとある子に敵意剥き出しにされてる的な感じな悩みはありますけど」
「……君が?」
「う〜ん、私もよく分からないんですけどそんな感じがして。自分は何もしてないって思ってますけど、もしかしたら無意識に嫌な事しちゃったのかな〜みたいな。一方的にそう思われるのって結構辛いな〜って、はい。それだけですはい」
ぼそぼそと話せば先輩はふむふむと相槌を打つ。割と聞いてくれるのは嬉しい、頰に返り血付いたままですけど。
「大体合ってる気がするけどね」
「えっ」
「ああ、だからさっきから妙にAちゃんから変な感じがしたのか」
「えっ」
「ん?」
「あの、それってどういう」
「おい」
「!」
背後から急に声を掛けられた。
思わずビクゥ!と肩を揺らして振り返る。
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さゆ - えっ、えぇぇ…すごく面白いです!!更新頑張って下さい! (2021年12月24日 7時) (レス) @page22 id: 49d2dc5d0e (このIDを非表示/違反報告)
ノン - ヤバい。何この神作品。神過ぎる。あっ、ごめんなさい。本音出てました。ということで(え、どういうこと?)すっっっごく面白いです!応援してます!更新頑張ってください! (2020年9月12日 19時) (レス) id: b9bee98473 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - めっちゃくっちゃいいです!!もう、良すぎて鼻水が出てきました(?)続きすごく見たいです、更新楽しみにしてます!! (2020年8月11日 21時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
愛留(プロフ) - とても面白かったです!続きめっちゃ気になります…更新待ってます! (2020年5月23日 16時) (レス) id: 256b0d1c3f (このIDを非表示/違反報告)
うりょ - 続きが気になります!!!! (2020年5月18日 22時) (レス) id: 21c35aca73 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱんこ | 作成日時:2019年9月23日 1時