【愛され狙い出現】皆様、頭のネジが緩んでいませんか。【キメツ学園】

「きちくなやつ」 ページ17

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隣 で 不 協 和 音 を 奏 で る な 。



確かに竈門くんちのパンめっさ美味しいけどな、そんなさ、キャーキャー騒がないでほしいの分かる？何となく落ち着く竈門くんの声すら掻き消されてしんどい。
なんなら君の高音が耳に劈くの、雷鳴か？ってくらいキンキン来るの。耳の良い我妻くんだったら敢え無く失神してます。

無理だやめよ、こんなんじゃ何も頭に入らん。本を閉じて机の中に仕舞い、静かに立ち上がって教室から出た。



あの子の勝ち誇った顔が脳にこびり付いたが、先日ユーチュ○ブで見たゴキ……Gの捕食シーンを思い出して取っ払った。なんなら吐き気がした。深夜テンションで見るんじゃなかった。愚鈍の権化こと私である。











「あ、Aちゃんだ」

「うわヤベー奴に見つかった逃げよ………ウフフどうされましたの先輩。いつも通り素敵な笑顔ですね。ヨッ、イケメン！」

「うんうん、逃げられないと分かるや否や瞬時に媚びを売ったね。豆粒並のプライドを捨ててまで見苦しくも生き永らえようとする君の生き様は本当見ていて飽きないなぁ。良し良し」

「すっげえ全く褒められた気がしない。つらつら話されたのに何一つ心に刺さらない。毒は食らったけど」



そんな事を言いつつ壁際に追いやられたゴキ○リのように後退る。さっきから頭の中でGがウゴウゴ動いて気持ちが悪い。完全に自業自得だがそもそも思い出させたのは来海さんだ。つまり私は悪くない。

笑顔で迫り来る奴が手を伸ばす。頭を撫でられそうになったが「ウォワーーッやめてくだしあ！！！」と全力で拒絶すれば彼は不服そうに顔を歪める。



「どうして？」

「手！！！その真っ赤に染まった手で！！頭を撫でるとか正気じゃありませんな童磨先輩！！！！！」

「ああ、これか。さっき名も知らぬ誰かに絡まれちゃってねぇ、穏便に済ませたかったのだけれど……まあ、正当防衛って訳で」

「ヒェッ……」



正当防衛が度を過ぎてます童磨先輩。頰にも血が付いててゾッとする。
それって過剰防衛って言うんですよ童磨先輩……恐らく今も地に伏せたままであろう名も知らぬモブどもに合掌した。



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