【愛され狙い出現】皆様、頭のネジが緩んでいませんか。【キメツ学園】

「食リポ(笑)技術」 ページ16

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「ああ、おはよう愛華」

「ねえねえ聞いて！今日凄く良い事があってねぇ」



彼女は可愛らしい笑みを浮かべてこちらに駆けてくる。
一応私も(さっき会ったけど)「おはよう」と言ってみたが普通に無視された。知ってた。奥歯ギリィしたいが耐えた。わたしはおとな。

というかめ〜〜っちゃベタベタ触りますやんお姉さん。ちょと待てちょと待てお姉さん。人見知り設定どこいったの、大気圏に突入したの？


あとさ、なんかさ、間違いだったら申し訳ないんだけどさ、一々こっちチラ見して勝ち誇ったような顔すんの何で？？？？
君は私に何で勝ったって言うの、コミュ力？図太さ？



「……そういえば愛華、良ければこれ食べないか？」

「えっ、何それっパン？良いの〜！？」

「ああ。是非食べて欲しい」



彼は笑って、彼女に一つのパンを差し出した。
目の前の光景である。いつもは私に対しての行為が、彼女に向けられた。



「ん〜っ！おいひい！」



彼女は頰に手を添え、何だか態とらしく感想をこぼす。おいひいですって。おいひい(笑)。リアルでそんな事言う奴いるかよ。いたわ。



「そうか、良かった」



目の前で見せつけられてるこの私の立場よ。
気まずいんだけど。今日はしっかり朝飯食って来たから空腹では無いんだけど、お隣でやられてるから嫌でも目に入るんだよな。てか今日は何を入れられてるんだろうね、そろそろ異物混入で訴えても良いと思うんだがどう思いますかみなさん。


やけに来海さんみんなと仲良くなるの早いなぁなんて思いながら、図書館で借りた小説を読み始める。
きっと彼女はコミュ力おばけなんでしょうね、人見知りなんて半端な嘘つくなよ意味わかんね、ぺらりと頁をめくる。


隣で何かキャアキャア言ってるが関係ない。今集中してるんだ黙っててくれ、パンを口に突っ込めば黙ってくれるなら襧豆子ちゃんが咥えてるフランスパンから隅の方のカケラを拝借して突っ込んでやりたい。



前までは可愛らしいと思っていた鈴の音は、今ではただただ喧しい高音にしか聞こえなくなった。



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