「安定のむいたん」 ページ13
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この子怒らせるととんでもなく怖いもんな。ショタに負ける高校生の立場ェ………
「えっ、君って……!?」
すると突然。
私の机の横に掛けてあった弁当箱を持ち、此方に向かっていたむいくんに向けて来海さんが声をかける。
「A。はい」
「あっ、有難うございます」
し か し こ ち ら も 安 定 の む い た ん 。
完全に無視である。何事も無かったかのように私の手を引き、「帰ろう」と言う彼の顔は笑みを浮かべている。うーん、そのスマイル120点満点。
「ちょっ、ちょっと!」
「は?」
だが彼女も負けてはいない。
去り行くむいたんをわざわざ追い掛け、もう一度声をかける。
一部の人を除き、他人への対応がめっさ塩分高めになるむいたんは彼女の声に煩わしそうに反応する。
「何」
「えっと、あの、その」
「は?何で吃るの、あの鬱陶しい集団から離れてまでわざわざ俺を引き止めた理由は何?さっさと説明してよ」
「………な、何で、中学生の子が高校生の教室にいるの、
聞いてるの、蒼風さん!!!」
「えっ」
えっ。
えっ?
なんで急に私に振る!?
彼女の顔は羞恥からなのか怒りからなのか赤く染まっている。いやなんで、てか何で私?意味も意図もわからん、君って本当分からん子ねぇ。
「……何で俺の事なのにAに聞くの?君ってさ、その、頭大丈夫?そんなので高校の学力レベルに着いて行けてる?何なら一回人生やり直した方がいいんじゃないかな、受精卵辺りから」
「戻り過ぎじゃないかなそれは」
「だってそうでしょ?Aもそう思うよね?」
「グッ……そこで上目遣いはやめ……ウグゥ」
音を付けるなら「きゅぴーん」である。君って本当気に入った人間とどうでも良いと位置付けた人間との対応の差やべえな、二重人格説が浮上したぞ。
彼女の顔は真っ赤に染まった。ぷるぷる震えてしまっている。
「でも流石に言い過ぎだよむいたゃ、せめて中学生程度で良いと思うの……」
「こんなのが同級生にいるなんて嫌だ。耐えられない」
「(酷過ぎわろた)でもなむいくん、ちょっと言い過ぎだぜ。一応相手は先輩なんだしさ、ね?」
「………」
め〜〜〜〜っちゃ不服そうな顔するやん?
顔をしかめて滅茶苦茶嫌そうな顔をしていたが、私も負けじとガン見する。
数秒後、はぁ、と彼が溜息を吐き出した。
そして振り向き、彼女と向き合う。
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さゆ - えっ、えぇぇ…すごく面白いです!!更新頑張って下さい! (2021年12月24日 7時) (レス) @page22 id: 49d2dc5d0e (このIDを非表示/違反報告)
ノン - ヤバい。何この神作品。神過ぎる。あっ、ごめんなさい。本音出てました。ということで(え、どういうこと?)すっっっごく面白いです!応援してます!更新頑張ってください! (2020年9月12日 19時) (レス) id: b9bee98473 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - めっちゃくっちゃいいです!!もう、良すぎて鼻水が出てきました(?)続きすごく見たいです、更新楽しみにしてます!! (2020年8月11日 21時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
愛留(プロフ) - とても面白かったです!続きめっちゃ気になります…更新待ってます! (2020年5月23日 16時) (レス) id: 256b0d1c3f (このIDを非表示/違反報告)
うりょ - 続きが気になります!!!! (2020年5月18日 22時) (レス) id: 21c35aca73 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱんこ | 作成日時:2019年9月23日 1時