第虚伍話「天性の弱虫」 ページ8
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「ちょっと待てよいのっち」
「!着いてくるんじゃねえ!!」
「あー、ごめんっていのっち。……親分」
「お前なんか子分じゃねえ!!」
「怒んなって」
「俺は怒ってねえ!!!」
「……寂しかったの?」
その言葉に、いのっちはピタリと足を止めた。
そしてグルンとこっちを向く。
ようやく目が合った気がする。
「寂しくなんかねえ!!!」
「………そうか。私はちょっと寂しかったよ」
「ハァ!?」
「……別の事してても、君と過ごした生活を思い出すくらいは、少し寂しかったよ」
君はそうで無いのか。
そうボソッと零した。
……いや、寂しかった、というか、「ああ懐かしいな、あんな事もあったな」って思い出すくらいは君の事思ってたよ。って事で。
決して君と過ごした時間が忘れられなくて思い出に縋り付くような女丸出しの気持ちでは無い。そこだけは間違えないでほしい。
ただ、一番最初に会った君がいなくて、ちょっと寂しかったってだけだ。
「………何だお前、勝手に俺から離れた癖にそんな風に思ってたのか?」
「まあ、はい」
「…………………天邪鬼かお前は!!!捻くれ野郎が!!!可愛い奴め!!」
「は?グェッ」
「アハハハハ、わざと俺の気を引こうとあんな行動取ってたのかテメェ、Aよォ!!最初からそう言えや!!捻くれ野郎め!!!」
「ちょっ、なんか盛大に勘違いしてなグェオ!!!」
「仕方ねェな、ならまだ子分として置いてやるよ!!アハハハハ猪突猛進!!!!」
「ギャアアアアせめて私を置いて猪突猛進しろォォー!!!」
首を腕でガッチリロックされた状態で猪突猛進(バースト)をかますいのっちに最早泣きながら私は叫んだ。馬鹿やろぉぉぉ首が捻じ切れるわ!!この勘違い暴走野郎が!!!
そもそもここ鬼の棲家ですけども!!!
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ぱんこ(プロフ) - みしろさん» コメ有難うございます!神ではないんです、ただただ妄想を吐き出すのが得意な一般ピーポーなんです…(〃ノωノ)更新頑張ります〜〜! (2019年7月21日 17時) (レス) id: 3e4c0c522b (このIDを非表示/違反報告)
ぱんこ(プロフ) - ほにゃさん» コメ有難うございます!私の作る小説は悉くキャラが病んでいくので不思議ですね!笑 これから彼をどう動かそうかちょっと悩んでます…( ˘ω˘ ) (2019年7月21日 17時) (レス) id: 3e4c0c522b (このIDを非表示/違反報告)
ぱんこ(プロフ) - 黒酢さん» コメ有難うございます!キャラの性格を掴むのには苦労しました…炭治郎冷たいですか?笑 自分では全く分からないです(゚-゚;)これからはもっと優しいキャラにしていきます!笑 (2019年7月21日 17時) (レス) id: 3e4c0c522b (このIDを非表示/違反報告)
ふーゆず(プロフ) - 善逸ゥ!ゴボアゴボン”ン”(吐血音)最高かよ…ッ! (2019年7月20日 19時) (レス) id: 63500bc6f8 (このIDを非表示/違反報告)
みしろ(プロフ) - いつも楽しく拝見させていただいてます。テンポ良く読みやすいです。貴方様は神か……(合掌)陰からひっそりと応援しております!!!!! (2019年7月20日 12時) (レス) id: 509e58e731 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱんこ | 作成日時:2019年7月15日 16時