第圓話「鼓と鬼」 ページ13
※圓=60
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「っは、………はぁ、はぁ……行かないと」
子供の目は濁ったまま見開いている。
涙を袖で拭い、目を閉ざしてやる。
ごめん、また来るから。今はここで待っていて。
廊下の隅に彼女の身体を横たわらせる。
少しだけその光景を目に焼き付けて、私は廊下を進み出した。
暗く長い廊下で、1人分の足音だけが響いていた。
「…………もしかして、此処に居ない説あるぞこれ」
日が昇り、日が暮れた。
こんばんは、2日目の夜です。
………ごめんんんんん清くん!!!飲まず食わずで歩き回りまくったけど、居ないよここ!!!
最後の饅頭を一口で食べる。
非常食の為に残しておいた物だけど、もう非常事態だし良いよね。……良いよね?
「清くんには沢山お饅頭と(なけなしの)水渡したから……多分大丈夫だけど……私が大丈夫じゃない……ウケる……」
ウケねえ……ウケねえよ……口が心と反対の言葉を言うとかもう末期?次回A死す?笑えん。
度々景色が変わり、恐らく清くんが鬼と遭遇し鼓を叩いてるっぽい。つまり彼は無事。良かったー!!未だ君の居場所が不明だけど、安否確認は可能だ良かったーー!!!
「ぎっ、あぁ、ああぁぁああ!!!!」
「!」
子供の悲鳴!聞こえた方角は南!!
すぐさま踵を返し、南へ駆け出す。
間に合うか!?いや間に合え、間に合って!!!
襖をバン!と開け放つ。
怯える子供の目がこちらに向けられた。所々斬られたような傷がある、しかしさして問題は無さそう命は無事だ、それより目の前の、鬼!!!
迅速な動きで少年の前に立ちはだかる鬼を斬りつけ、ようとしたら、ぽん!と聞き覚えのある音がした。
清、くん?ではない、目の前の鼓!鬼に鼓が付いている?
視界が回転した。
突然の事に目を見開く。
部屋が、地球の重力を丸っ切り無視して、左に回転した!
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第圓壱話「万有引力の法則(大嘘)」→←第虚玖話「虚空の果てに」
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ぱんこ(プロフ) - みしろさん» コメ有難うございます!神ではないんです、ただただ妄想を吐き出すのが得意な一般ピーポーなんです…(〃ノωノ)更新頑張ります〜〜! (2019年7月21日 17時) (レス) id: 3e4c0c522b (このIDを非表示/違反報告)
ぱんこ(プロフ) - ほにゃさん» コメ有難うございます!私の作る小説は悉くキャラが病んでいくので不思議ですね!笑 これから彼をどう動かそうかちょっと悩んでます…( ˘ω˘ ) (2019年7月21日 17時) (レス) id: 3e4c0c522b (このIDを非表示/違反報告)
ぱんこ(プロフ) - 黒酢さん» コメ有難うございます!キャラの性格を掴むのには苦労しました…炭治郎冷たいですか?笑 自分では全く分からないです(゚-゚;)これからはもっと優しいキャラにしていきます!笑 (2019年7月21日 17時) (レス) id: 3e4c0c522b (このIDを非表示/違反報告)
ふーゆず(プロフ) - 善逸ゥ!ゴボアゴボン”ン”(吐血音)最高かよ…ッ! (2019年7月20日 19時) (レス) id: 63500bc6f8 (このIDを非表示/違反報告)
みしろ(プロフ) - いつも楽しく拝見させていただいてます。テンポ良く読みやすいです。貴方様は神か……(合掌)陰からひっそりと応援しております!!!!! (2019年7月20日 12時) (レス) id: 509e58e731 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱんこ | 作成日時:2019年7月15日 16時