拾玖、『劔』 ページ19
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路地裏を走り抜ける。建物の隙間を潜り抜け、細い道をぐるぐると駆け続ける。
とうに体力の限界が過ぎて、正直息は絶え絶えである。自分のスタミナの無さに心底ガッカリするレベルだ。
「か、いが、ぐっ、にいちゃ」
「っ何だ！」
「わ、たし……ッヒィ、ひゅ、ひゅう、っ足でまと、い、ハァ、だから、っは、……っ置いて」
「お前を置いて逃げるわけねぇだろ馬鹿が！！！」
「(いや即答〜〜〜！！！)」
ちょっと察してたけども。というか最後まで言い切る前に返されたんだけどなんで？読心術？！流石ですねお兄たま！！！あとなんで私の場所分かったのほんと、
しかし滅茶苦茶汗ばんだ様子の彼。握られた手も熱く、そして先程私を見つけた時にかなり息を切らしていた。
「(……私を探して、駆け回ってくれてたのだろうか)」
それにしても無尽蔵な体力ですな。私なんて走って数分で死にかけてるのにしゅごい。お兄たま素敵。
最早よろよろのヨボヨボである。それでも頑張って走り続けて、曲がり角を曲がると其処には＿＿＿＿行き止まり。
「ちっ……引き返すか、」
「！待っ、にいちゃ」
「ッひひ、追い詰めたぞ、ガキ共……！！」
振り返る私たちの前に、あの男達が迫っていた。
2人。1人は頭から血を流し、目が血走っている。殺気が溢れ出ていて、恐ろしい目付きでこちらを睨みつけていた。
「逃がしゃしねぇよ」
「糞、糞っ！！あの男のガキは殺す！！殺してドブに流してやる！！！」
「なら俺はあの嬢ちゃんだな……ひひ」
じりじりと躙り寄って来る2人。手には小刀が、
悲鳴を押し殺し、前に立つ獪岳くんの服を握った。彼はその辺にあった木材を手にし、構えた。
「＿＿＿＿＿隙を見て逃げろ、A」
「え、」
「俺が隙を作る」と彼は小さく呟いて。
木材を固く握り締め、そして駆け出そうとしたその瞬間。
「何をしておる」
誰かの声が聞こえた。
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�桟鈬�(プロフ) - コメ失礼します！メチャクチャ好きです！！(唐突)更新頑張ってください！ (2020年11月2日 17時) (
レス) id: a8b4b5bef5 (このIDを非表示/違反報告)
葵羽(プロフ) - 獪岳の存在が気になりはじめたのはぱんこさんのおかげです！更新楽しみにまってます！応援してます！ (2020年3月23日 17時) (レス) id: bccf6ec4c9 (このIDを非表示/違反報告)
零華 - 初コメ失礼します！！。最&高のウィンウィンです！！(何いってんだろうか)更新再開するのを楽しみにしています！！。(*^^*)ｶﾞﾝﾊﾞﾚ! (2020年3月18日 7時) (レス) id: f56491ae0c (このIDを非表示/違反報告)
アムネ(プロフ) - すごく面白いです。続きが気になります！更新再開するのを願ってます。 (2020年1月8日 19時) (レス) id: 9a6a9cf4a1 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - めっちゃ好きです！頑張ってください！ (2020年1月3日 15時) (レス) id: 57c609d2c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱんこ
| 作成日時：2019年10月16日 16時
