金髪君に散々貢いで貰ってたら、いつの間にか形成逆転されかけた話。【鬼滅の刃】

捌、『ゆめのなかのゆめ』 ページ9

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「(居ねえ、な。良かった、ごんえもん君まだ遊郭いるわ)」



玄関の中をコッソリ確認し、ホッと一息吐いた。

なんなら是非己の欲を全て吐き出してから帰って来てほしい。いっその事枯れ果ててくれて構わないし二度とたたなくなっていても構わない。

アイツしつこいし長いしなんかもう色々と雑だし、アイツの相手となる遊女さんが心配である。負担凄そう。現に私は物凄い負荷がかかってる。ちゃんと外に出してくれるってだけは有難いけども。


……お互いに、ねえ？望まれない命を授かるのはごめんだから。産まれて来る赤ちゃんが可哀想だ。
きっと私は愛せないだろう。最悪育児を放棄するかもしれない。我ながら屑である。タチの悪い事に自覚済みである。



「(遊郭か……漫画の世界しか知らないな。吉原だっけ……)……うーん、別世界だわぁ」



とっくの昔にここが『別世界』なのだと気付いてはいたけど、いざ間近で見るとなると対して驚きはしなかった。……いや鬼は別だけど。あんなん豆撒いて軽く追っ払えたら良いのに。

例えもし此処が魔法の使える世界だったとして、みんなが箒で空を飛んでいたとしても大して驚きはしないかもしれない。


ああそうなんだ、ってそれだけ思って、取るに足らない感想だけ零して終わるかもしれない。



「(……………いやめっちゃ老けたな自分。感情が死んでるというか、これただの老化現象では？？)」



達観し過ぎて己の精神年齢が肉体を超えた気がする。
つらいむ。

無理して今の子が使いそうな言葉を考えまくったが、ダメだ、タピオカミルクティーくらいしか分からない。アレ飲む前に死んじゃったし。……流行りにすら乗れない人生であった。



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