金髪君に散々貢いで貰ってたら、いつの間にか形成逆転されかけた話。【鬼滅の刃】

拾参、『惜別』 ページ14

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着々と貯まっていたお金の生産が大分昔にストップしたので、とりあえず久々に数えてみれば結構な額があった。

………思ってたより結構貢がれてた。
本当に有難う善逸君。願わくばまた君から貢がれる生活を送りたいけど、贅沢は言ってられないよな……



このお金。確かに初めはごんえもん君との結婚を夢見て貯めようって思ってた。人の金ですけども。まあ早急に身を固める為に必要だったわけでと言い訳。

今はそんな気失せた。最早逃げの一択である。
このお金を使って、私は＿＿＿＿＿＿





＿＿＿＿＿＿「沢山お金をくれたら、きっと君のことが好きになるかもね」





……ああ。まだ「お母さんが病でぶっ倒れた設定」がしっかり固まっていなかった頃、そんな事をヤケクソのように言い放ったのを思い出した。我ながら本当にクソみたいな人間である。

外見通り純粋そうな善逸君が「えっほんと！？」とビックリしつつもめちゃくちゃ嬉しそうな反応してたのも思い出した。



そして貢がれ、兎に角貢がれ、アレ君自分の臓器売ったの？って勘違いしてしまう程貢がれまくり、そして…………今に至る。



……彼を引っ張っていったお爺さん、明らか厳しそうだったけど。でも、優しい人なんだろうなって何となく分かった。
そうでなければわざわざあんな喧騒に自ら突っ込んで行かない。善逸君を引っ張っていく理由なんてない。


幸せな人。彼は自らを救ってくれる人間に出会えた。



「(………じゃあね。善逸君)」



今まで有難う。
誰よりも優しい君はもう、私のような屑と関わらない方が良い。



でも、もしも、叶わぬ夢だとしてもまた君と出会えたのなら＿＿＿＿＿＿







「……君は幸せになってくれ」



ぽつりと、そう呟いた。







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