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枯伍、『天使を型取る』 ページ7

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確かに雨は止んでいた。
雲の隙間から微かに光が差し込んでいる。

店から出た。店主のオジ様はニヤニヤして、お婆ちゃんは「ひぇっひぇっひぇっ」と笑っている。遺伝か?


傘を買いにこの店に来たのに、結局必要無かったね。



「訳有りなアンタらから理由(わけ)を聞こうだなんて野暮な真似はしねーよ。良く分かんねぇけど駆け落ちってとこか?まあ頑張れよ」

「(まあまあ合ってんな)……はい。有難うございますおじ様」

「……どうも」

「ひぇっひぇっひぇっ」



2人に手を振る。
2人は笑って振り返してくれた。

助け合い?偶然の賜物?兎に角彼らとの出会いにより、ちょっとだけ荒ぶっていた心が落ち着いたように感じる。
先程までのふわふわした気持ちは消えた。今はもう、不可思議な安心感に包まれている。



善逸君と歩いて行く。もう何も怖くない、とか言ったら瞬時にマミりそうなので言わない。でも本当に大丈夫な気がする、だって側に君がいるから。











「……あ、そういやさっき、
あの坊主と同じ格好した背の高い男が丁度通ってった(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)………ってのは、別に伝える必要無ぇか。しっかし何であんな怖え顔してたんだろうな……まぁ良いか、さーて仕事仕事」











「………」

「………?善逸君?どうしたの」

「いーや、何でも無いよ!」



そう言って、善逸君は笑った。
繋がれた手を緩く引かれたので、何の抵抗もなく着いて行く。







「………間抜けな奴」







「……?」



彼は何かを呟いていた、が、小声だった為言葉を拾う事は叶わなかった。

代わりに「Aちゃんって凄いよねぇ」と言われたがえ、何が?意味が分からず首を傾げる私を見て彼は微笑んでいた。……よく分からないが、私は凄いらしい。


まあ良いかと1人納得して、空を見上げた。



「天使の階段」と呼ばれる美しい薄明光線が、天を彩るように彼方へと広がっていた。



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枯陸、『低脳』→←枯肆、『恋人よ』



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設定タグ:鬼滅の刃 , 我妻善逸 , トリップ   
作品ジャンル:恋愛
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ゆら(プロフ) - あああああああああああ更新停止いい!続きが気になる、、、 (2023年4月29日 23時) (レス) @page25 id: ab3ad11547 (このIDを非表示/違反報告)
- 流石にこれは最高すぎる、、、、もうなんか好きすぎて何て言葉にすればいいのか、とにかく好きです!!更新まってます😢 (2022年10月10日 12時) (レス) @page25 id: cda9a90c6e (このIDを非表示/違反報告)
名無し - いや最高すぎる 、、ストーリーから夢主の性格まで全て含めて最高 … 。面白すぎてめっちゃ読んでたらこんな時間になってしまっていた笑笑 更新待ってます 、!!! (2021年12月28日 2時) (レス) @page25 id: 541045445a (このIDを非表示/違反報告)
雷霞 - 何度も読み返させて頂いてます、数ある善逸夢小説の中で1番好きです、大好きです…!! 善逸もかっこいいんですけど夢主さんの性格が好きすぎます…っ!! (2021年8月1日 22時) (レス) id: 423a130570 (このIDを非表示/違反報告)
みき - 続きを切実に所望します (2021年7月3日 23時) (レス) id: 37a3449760 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぱんこ | 作成日時:2019年9月18日 23時

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