金髪君に散々貢いで貰ってたら、いつの間にか形成逆転されかけた話。参【鬼滅の刃】

枯壱、『刹那の康寧』 ページ3

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「っ、げほ、けほ！」

「Aちゃん、ちょっと移動しようか。此処だと空気悪いし。俺も一緒に行くから。ね？」

「……嫌……ここでいい、私だいじょうぶ」

「そんな苦しそうな顔しといて説得力無いよAちゃん」



……それでも嫌だ。暗い場所に身を潜めたい。

善逸君の羽織越しに息を吸う。
苦しいのは苦しいが、さっきよりはマシになった気がする。通気性とかどうなってんだここ、ハウスダストがえらいこっちゃだぞ。


そんな事を考えていたら少しだけ気持ちが落ち着いた。吐き出しそうな位気持ちが悪かったが多少安らいだ。

………善逸君の匂いが落ち着くとでも言いたいのか、私は。
何だそれ、というかそれってもしかして。



「……………変態でごめん………」

「えっ急にどういう事……？」

「変態な上に情緒不安定でごめん……」

「……きっとさ、色んな事が一遍に起こったせいで気が動転してるんだよ。こんなに怯えた音を出して、可哀想なAちゃん。俺の匂いが落ち着くならずっと抱き締めてあげるから。
あとさ、君が変態だったとしても俺、全然平気だからね」

「………」

「ごめん。少しずつ離れようとしないでごめん。
でも嘘じゃないから。君がどんな子であっても、俺は今迄通り君だけを想って君だけを愛し続ける所存だから」

「………あいがおもい」

「えへへ、受け止めてくれる？」

「………うん」



素直に頷けば、私を抱く腕の力が強くなった。
………なんでこんないちゃらぶしちゃってるんだろ。こんな暗い場所で、なんなら空気の鮮度が死滅しているような場所でさ。


因みに上記の会話は全て小声である。
未だ微かに身体は震えているが、先程よりは幾分マシになった。



状況が状況なのに、何故か少しだけ笑みが溢れた















「おい、」





声がした。



男の声(・・・)だった。





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