无捌、『哀愁』 ページ20
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「は?何だそれ」
「お前知らねーの?この屋敷に居んだよ、未亡人みたいな雰囲気出した色っぽい女」
「凄え美人だよな。俺より年下っぽいけど全然良い、余裕でイケる」
「何様だよお前」
低俗な会話。響く笑い声。
酷く耳に付いた。嫌なものを聞いてしまった。なんで足止めちゃったんだ、私。くっ付いたように足が動かない
「屋敷中歩き回って探してみろよ、運良けりゃ見られるぞ」
「そうそう、訓練だか何だか言って嘘付いてさぁ」
「そうか?じゃあ今度探して見るわ」
いやツチノコみたいな感じで探すなや、ふざけんな鬼殺隊員、ホント止めてよそういうの
その時、ようやく足が動いた。
直ぐさまその場から早足で離れる。
「一回でも良いから抱いてみてぇよな」
ガギリ、
口の中の飴が砕けた音がした。
………ああ、勿体無い。ゆっくりゆっくり舐めて溶かしたかったのに。
奥歯でごりごり噛み砕いて、ゴクリと飲み込む。
甘さなど感じない。
砂利を食んだみたいだった。
いつの間にか縁側に来た。
綺麗な庭が見える。色取り取りの蝶が舞っている。
女の子が座っていた。庭をジッと見つめている。
ゆっくり近付く私に気付いたらしく、振り返る。
何の感情も分からない目。私を見ているのか、私を通して何かを見てるのか、何も分からない。
「隣、良い?」
彼女は何も言わない。
ただ黙って、にこにこと笑っている。
じゃあ良いかと遠慮なく座った。足を投げ出す形で、縁側に腰掛ける。
「………あ〜〜〜〜〜〜」
ハァ〜〜〜〜〜〜。
そしたら少しして、私の口からクッソデカい溜め息が飛び出した。
意識はしてなかった。ただ、ぼんやりと眺めていたら唐突に。
俯き、もう一度「あ〜〜〜」と声を出す。完全に不審者である。しかし隣の少女は何も言わない、沈黙が続く。
それでも、居心地は悪くなかった。
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ゆら(プロフ) - あああああああああああ更新停止いい!続きが気になる、、、 (2023年4月29日 23時) (レス) @page25 id: ab3ad11547 (このIDを非表示/違反報告)
餅 - 流石にこれは最高すぎる、、、、もうなんか好きすぎて何て言葉にすればいいのか、とにかく好きです!!更新まってます😢 (2022年10月10日 12時) (レス) @page25 id: cda9a90c6e (このIDを非表示/違反報告)
名無し - いや最高すぎる 、、ストーリーから夢主の性格まで全て含めて最高 … 。面白すぎてめっちゃ読んでたらこんな時間になってしまっていた笑笑 更新待ってます 、!!! (2021年12月28日 2時) (レス) @page25 id: 541045445a (このIDを非表示/違反報告)
雷霞 - 何度も読み返させて頂いてます、数ある善逸夢小説の中で1番好きです、大好きです…!! 善逸もかっこいいんですけど夢主さんの性格が好きすぎます…っ!! (2021年8月1日 22時) (レス) id: 423a130570 (このIDを非表示/違反報告)
みき - 続きを切実に所望します (2021年7月3日 23時) (レス) id: 37a3449760 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱんこ | 作成日時:2019年9月18日 23時