金髪君に散々貢いで貰ってたら、いつの間にか形成逆転されかけた話。弐【鬼滅の刃】

卌捌、『化けの皮』 ページ4

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「すっごいなぁ君、音？何それ、耳めっちゃ良いって事？凄いね、凄い凄い」

「………」

「ああ、だから前に耳掃除やってあげた時、大袈裟に反応してたんだ。可愛いね、じゃあ耳が弱いんだね」

「………」

「……少しは反応してよ」



それでも彼は何も言わない。思わず大きな溜息が出た。
見繕うのってマジ大変な。貼り付けたお面を力尽くで引き剥がされた感じがする。


作り上げてきた物が一瞬で壊されるのって、こんな気持ちなのだろうか。



「そうだよ。母親なんていないよ。正直分かんないけど多分鬼に食べられて死んだ。天涯孤独。つまり一匹狼ですよろしく〜〜」

「……Aちゃん」

「君から貰ったお金、まだ残ってるよ。使い切れてないの。スッゴイ沢山頂いたからさぁ、使い道に困っちゃって」

「……もしかして、俺以外の男と駆け落ちするつもり？」



彼は固く目を閉ざし、真顔で問いかけてきた。
少し目を瞬かせた後、口角を上げた。



「………そうだね！今さ、付き合ってる人がいるから、その人と添い遂げる為に使うの。

有難う善逸君。君のお金は全部使うから。一銭も無駄にしないよ」



ニッコリ笑って、吐き捨てた。

彼の首に腕を回し、強引に接吻をしてやる。
善逸君は黙って受け入れた。そしたら舌が捻じ込まれたので、喜んで絡ませてやる。こんな事くらい安いものだ、なんなら何時迄も、君の気が済むまでしてあげる。







だから何で、どうしてそんなに悲しそうな顔をしてるの、善逸君。



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