検索窓
今日:2 hit、昨日:39 hit、合計:1,149,871 hit

虚漆、『誓い』 ページ13

.



「夜での事はさて置き、まあまあ当て嵌まってるね」



身を包む布団をぎゅっと握る。

当て嵌まってる、けどなぁ。1つだけ不明な点が。



「君って強いの?」

「……………君を守れる程度は」

「そう」



じゃあ良いじゃん。
すとん、と肩の荷が降りたような感覚がした。

アイツは確かに強かった。力では全く勝てる気がしなかったし、私に振るう拳が鬼に向かうなら、きっと、でも、ああ……怖かったなぁ、本当に痛かった、苦しかったなぁ



無意識に布団を強く握り締めたら、彼がそっと私の肩を掴み、抱き寄せた。



「……アイツの事を考えてるの?」

「………うん。考えてるっていうか、残ってんだよね、記憶の中に」



脳にこびり付いた汚れみたいな。
コンロ周りの黝んだへばりみたいな。

すっげえ酷い例えでごめんね、でもこんな事しか思い付かないの。



「(ホント酷くて最低な女だよ、私は……)」



今更己がやらかした事に溜息が出てくる。
浮気、詐欺、暴言暴力(主に善逸君に向けて)、虚言……兎に角酷い有様である。



「私、最低な奴だよ?口悪いし嘘吐きだし、他に男いるのに君に会いに行くような尻軽だよ?」

「君は救いを求めて俺に会いに来てたんでしょ?口が悪いのも嘘吐きなのも、全部引っくるめて君の事が好きになったんだから別に良い。
……君をそこまで苦しませて追い込んだクソ野郎の事なんか忘れて、俺の元に来て。



君は俺が守る」



しっかりと私を抱き締めて、彼はまるで誓うような口振りでそう言い切った。

…………守るって、騎士じゃん。お侍さんがナイト気取り?カッコいいね、うける。



私そういう愚直な思いを持つ人、割と好きなんだ。







「……………一生かけて、私を守って」





また、一粒の涙がぽろりと落ちた。



.

虚捌、『女の百面』→←虚陸、『意識的タイム』



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (991 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2310人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 我妻善逸 , トリップ   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

葵羽〜best friend group〜(プロフ) - 善逸の誕生日ということで、「善逸君はぴば!」のお話を見にきました…何回読んでも面白い…凄く好きです…! (2020年9月3日 14時) (レス) id: bccf6ec4c9 (このIDを非表示/違反報告)
- 面白いです!更新頑張ってください! (2019年9月17日 20時) (レス) id: 5aaa39b99e (このIDを非表示/違反報告)
もこ - とてもすき! (2019年9月17日 12時) (レス) id: fcbb1370f0 (このIDを非表示/違反報告)
まえむ - え、鴉かっけぇ…続きが気になりすぎます!!!更新頑張ってください!! (2019年9月17日 1時) (レス) id: 572cac2bfb (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 更新ありがとうございます!何だかハラハラする展開…!続きも気になります(o>ω<o) (2019年9月15日 5時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ぱんこ | 作成日時:2019年9月1日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。