ライラックの花束を【2】 (ページ8)

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「わ、もうこんな時間…そろそろ帰ろうかな」

「駅まで送ってく」

海斗の家を出て2人で歩き始める

道を歩く2人を囲むように
桜が咲き始め、春の始まりを告げている

「もう来月から4年かー
Aはもう完全に先生？」

「うん、教採の勉強始めてるよ」

「そっか。じゃあ地元？」

「そうだね。海斗は？離れるの？」

「んー都内で就活はしてるけど
配属とか分かんないかな」

「そっか…さみしいなあ」

ついでた本音に、はっとする

「あ、いや、ほら！ずーっと一緒だったしね！
もし他県行ったら寂しいなーって」

「ずっと一緒だったもんな、ほんとに」

しんみりした空気のまま駅に到着する

「…まあ会えなくなるわけじゃないし、
そもそもまだ俺頑張ってる途中だから！
そんな悲しい顔すんなって」

「…うん、じゃまたね」

改札を抜けて振り返ると

優しい顔をした海斗が手を振っていた