ライラックの花束を【2】 (ページ29)

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「ありがとうございます、
私も演奏会に今度はお客さんとして遊びにいきます」

ひとしきり挨拶が終わり楽屋の戻る

スマホを開くと、1時間半前に

＂後から連絡ちょうだい＂と海斗からきていた

「もしもし海斗？ごめん、遅くなっちゃった」

「全然。大丈夫なの？」

「うん、いまか着替えて帰るとこ。」

「そっか。…あのさバタバタで申し訳ないんだけど」

「うん」

「話したいことあるから。
19時に家の近くの公園で待ってる」

まただ。

久しぶりに聞く海斗の真剣な声。

今度は何を言われるのか、

少しの不安と期待を抱きながら

「わかった、近くの公園ね、すぐいく」

そう言って電話を切る

ふと楽屋の時計を見上げると、

デジタル時計の画面は18時35分を表示していた