ライラックの花束を【2】 (ページ17)

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最後の実習も終わり一息ついて

やっと私の中で夏休みが到来する

「思いっきりピアノひこーーっと！」

夜なのでヘッドホンをさしてピアノの練習を始める

練習に夢中になっていたら
スマホの画面が明るくなったことに気付く

開いてみると
海斗から星空と花火の写真が送られてきていた

「今日ゼミ旅行って言ってたっけ」

楽しそうだなと思いながら写真をまじまじと見つめる

星空がとても綺麗で昔、流れ星を見たことを思い出す

「私、なんてお願いしたんだっけ」

いくら思い出そうとしても思い出せなくて。

代わりに隣で眉間にシワを寄せて
真剣にお願いしていた海斗の顔を思い出す

あまりに真剣にお願いしていたから、
何をお願いしたのか気になってずっと聞いてたっけ

結局教えてくれなかったけど叶ったのかな？

もし、私が今お願いをするならば。

「幼馴染の壁を壊す勇気を持てますように、とか？」

神頼みしかできない自分に苦笑しつつ

海斗に返信を送る

直後、すぐにスマホを閉じて練習を再開した