ライラックの花束を【2】 (ページ14)

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松倉side

「あいつ、楽しそうだな」

正式に後夜祭のピアノを弾くことを決めたと
メッセージがきて思わず笑みが溢れる

「ケイさん何にやけてるんすか？
あ～～～彼女だ、絶対そう」

バイトの後輩の元太が携帯を覗き込もうとする

「ちげーよ！幼馴染！
幼馴染が好きなことまた始めるから嬉しそうで」

「それでケイさんまでそんな喜んでるんですか？
めっちゃ好きじゃないですか」

初めてAのこと喋ったのに
俺ってそんなに分かりやすいんだろうか

顔に出てんのかな、と更衣室の鏡を確認する

「告んないすか？
幼馴染ってことは、ずーっと片想い？」

＂やっば、アオハルすぎ！！＂と
1人でテンションが上がる元太を見ながら答える

「….そんな簡単な話じゃねーの。
幼馴染だからこそ、今の関係性壊したくないんだよ」

「えー、分かんないなー
だって好きで好きで大事でとられたくたい！って
思ったら動いちゃいません？
それこそ社会人になったら結婚とかしちゃって、
まじで一生伝えられないみたいなことなりますよ？」

いつもふざけてばかりの元太だからこそ

直球の正論が痛いくらい胸に刺さる

「……まぁ、さすがに伝えたいなって思ってるよ」

小さく呟くと、
＂てか顔見たいです！＂とまたスマホを開こうとする

「見せねーわ(笑)お前絶対、可愛い！とか言って
勝手に電話とかかけそうやん」

「バレたかー」

わいわいしているとあっという間に
バイトの時間になり各々が配置につき始めた