好き好き! / ツムリ ページ8
好きっていう気持ち。
恋っていう言葉。
それはこの世界にとってはありふれた話で。
特にインパクトも無い、何処にでも転がっている。
私はあなたを──ツムリちゃんを好きになってしまいました……
本当にきっかけは些細なこと。
「Aさんは可愛らしいですから」
なんて言われて。
可愛いなんて、あまり言われた事がなくて。
無意識のうちに好きって気持ちが膨らんでいって。
聞く人がきけばそれだけ? とも思うだろう。
それでも私はツムリちゃんが好き。
誰に何を言われようと、私は彼女を思い続けたい。
だから今日もあなたを想う。
「Aちゃん、どうかした?」
『なんでもないよ』
「あのね、メロンパンがあるんだ!」
『ありがとう』
そう言って私はメロンパンを受け取る。
暫しの無言タイム──メロンパンを食べる時間が続く。
私たちはデザイアグランプリを通して出会い、今は皆んなには秘密の親友モード。
こんなふうにずっと近くにいたい。 親友としてでも。
……いや、親友じゃなくて本当は恋人同士になりたい、なんてね。
ツムリちゃんに言ったら、きっと困らせちゃうんだろうなぁ。
でも、近くにいれればいい。 なんてのは嘘かもね。
だって、好きだから。
ああ、早く伝えたいなぁ。
そう思いながら私は再びメロンパンを頬張る。
美味しそうにメロンパンを食べる姿。
優しく手当する姿。
無邪気に笑う姿。
デザグラでの姿。
笑顔で私の名前を呼ぶ姿。
私の隣で楽しそうにする姿。
どんなツムリちゃんも大好きで。
私は彼女の言葉、態度等の全てに振り回されて、悩んで。
でも、そんな感情もツムリちゃんへ向けてなら悪くはないかも、ね。
だから今日は伝えるんだ、絶対に。
『ねぇ、ツムリちゃん』
「どうしたの?」
目をキラキラと輝かせながら私を見る。
そんな姿も愛おしい。
『私も、目を逸らさないから、ツムリちゃんも私の目を見て聞いてね』
「……? うん!」
言おうと思ったが、やはり緊張は隠せない。
顔が赤くなるのが自分でもわかるし、震えも止まることを知らない。
でも、そんな私を見て大好きと思ってくれるのならば。
今、伝えるから──
『ねぇ、ツムリちゃん、私、ずっと前から──』
好き好き! / SHISHAMO
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