ヒロインに恋して 【スーパー戦隊】【仮面ライダー】

意地悪な君も (大治小夜 / キラメイジャー) ページ8

「Aちゃん、好きよ」

『そうですか』

私はそう言って抱きついてくる小夜さんに冷たく返す。
だって……小夜さんのことが好きってバレたくないから。
好きを認めたらきっと止まらなくなるかもという恐怖がある。
だから、絶対にこの気持ちがバレてはいけない。

「……Aちゃんは私のこと、嫌い？」

『え』

叱られた子犬の様な目をして、しゅん、という効果音が付きそうなくらい落ち込む小夜さん。
可愛い……本当は好きなのに……！

『別に嫌いではないです』

再び冷たく返すと、小夜さんは私の耳元に口を近づけて──

「……じゃあ好き？」

『んっ……耳は……ちょっと』

「Aちゃん、耳だめなの？」

小夜さんがそう言ってニヤリと微笑む。
あっ、しまった。
と思った時には遅く、小夜さんは悪戯を楽しむ子供のように耳に息を吹きかけ始める。

『ちょ、小夜さんやめ……』

「そうねぇ……Aちゃんが素直に好きって言ってくれたらやめてあげるわね」

『！？ も、もしかして』

「Aちゃん私のこと大好きだものね。 冷たくしてるつもりでもバレバレで可愛かったわ！」

それで、と小夜さんは続けた。

「早く好きって認めた方が身のためになるんじゃないかしら？」

そう言って小夜さんは再び私の耳元に口を近づけていく。

数刻後、私は観念して好意を伝えたら、お付き合いすることになりました。
まさかあんな意地悪だとは思わなかったけど、意地悪で悪戯っ子な小夜さんも好きかもしれない。

お洋服 ( ヒメノ・ラン / キングオージャー)→←その先に(百地霞 / ニンニンジャー)

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す