22世紀は何からはじめよう【S.O】 (ページ6)

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お昼休みに智くんに

｢今日は彼氏と会うから帰り遅くなります｣と連絡したけど

既読がついたまま返信はなかった

仕事が終わり、会社から出ると裕貴が待っているのが見える

裕貴｢お疲れ様｣

爽やかに微笑む彼は一見誰が見ても完璧な男だ

だから、周りからは当然羨ましがられる

本当の姿を言ったら皆信じるのだろうか

裕貴｢A？｣

｢え？あ、ううん何でもないよ！｣

裕貴｢疲れてるんじゃない？｣

急に触れられた右頬

思わずビクッとしてしまう

裕貴｢なにそんな怯えてんの？｣

爽やかな笑顔のままのはずなのに

私には目が笑ってなくて笑顔が張り付いているようにしか見えない

裕貴｢まるで僕が今、叩こうとしたみたいじゃないか｣

耳に吹きかけるように囁かれる

｢ご、ごめんなさい！ご飯！行こ？｣

この間にも会社の人が何人か通っている

はたから見たらラブラブなカップルなのだろうか

裕貴｢今日はね、ホテルの最上階のディナーを予約しておいたんだ｣

いつも高級ディナーのフルコースを予約してくれるのはお決まりで

敏腕弁護士の彼にとってそんな食事代なんて屁でもない額なんだろう

私は普通にファミレスでもいいのになって思う庶民派だからそんな価値観すらも合わない

彼の高級車に乗せられ向かう道中

智くんからの返信が来てないかとスマホを見たけど何も通知はきていない

仕事、忙しいのかな？

最近職場変わったばっかで慣れないって言ってたもんな、

｢先に寝てていいよ｣くらい送っておいた方がいいかな？

裕貴｢スマホ気にして、なんかあるの？｣

すっかり裕貴の目を忘れていた

速攻で智くんとのトーク画面を削除する

男とLINEしてるなんてバレたら、何されるかわからない

｢ううん！職場の人が後で新しいプロジェクトのことで連絡するって話してたから来てないか確認しただけ！｣

裕貴｢ふーん、そっか
大変そうだね？｣

裕貴は運転中だったこともありスマホ見られてないかな？

その後、裕貴は特に怪しむ素振りもなく

車は煌びやかな街中を駆け抜けていった

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