5 救世主 ページ5
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｢いってきまーす！｣
智｢ん〜、いってらっしゃい…｣
私より家を出るのが遅い彼は寝ぼけ眼で目を擦りながらでも毎日必ず起きていってらっしゃいを言ってくれる
帰ると｢おかえり｣って家で待っててくれる
そんなことが日常になりつつあった
1週間ほど暮らして智くんに関して分かったことがある
智さんだと距離が遠いって言われて｢さとちゃんがいい｣なんて言われたけど、そんな呼び方できる訳もなく智くん呼びに落ち着いた
智くん情報その1
仕事はカメラマンをしているらしい
でもまだアシスタントの立場で少し見せてもらったけど彼の撮った写真は、人柄通りすごく温かくて幸せになれるようなそんな写真だった
自分はまだまだなんて言ってたけど
あれでまだまだなら相当大変な世界なんだな〜
そして、その2
歳はどうやら10個上
見た目が若いから歳上だろうとは思ってたけどそんな上とは、、
何をしたらあんな若くいられるんだろう
分かったことはこれくらい
悪い人じゃないのはわかったけど、なんか掴めない雰囲気でやっぱり不思議な彼
仕事の会議中、スマホのバイブがブーブーと振動する
恐る恐るディスプレイを見ると
”いま、何してんの？”
案の定、裕貴からだった
裕貴は例の彼氏
仕事中だろうと何だろうと連絡をしてくる
周りにバレないように｢今、会議中｣と送る
返信するや否やすぐ既読になる
”今日、会えない？”
裕貴とは智くんが来てからそう言えば１回も会ってなかったな
裕貴も出張があったりして忙しかったみたいだし
あまり気が進まないけど、断る理由も見つからない
｢いいよ｣と返信し、会議に集中した
．
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作者名：夢叶 | 作成日時：2019年8月25日 22時
