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仕事が定時に終わり立ち上がると
後ろのデスクの松本さんはパソコンとにらめっこしながら独り言をブツブツと呟いていた
たまに独り言が大きいこともあって、話しかけられてるのかと振り返るとパソコンに向かって話してることは珍しくない
｢松本さん、残業ですか？｣
潤｢ん？あぁ、ちょっとこれだけは今日中に終わらせたくてね｣
フワッと笑って答える松本さんは疲れを感じさせない
｢あの、今日はありがとうございました｣
潤｢え？…あぁ昼の、
Aちゃんが怪我しなくてよかったよ｣
｢私たちの会話、もしかして聞こえてました？｣
潤｢俺にはモデルみたいな綺麗な人が似合うみたいなのは聞こえちゃったかな｣
｢怒りました？私、勝手なこと言って｣
潤｢いや？怒ってはないよ
けど1つ言えるのは｣
突然左腕を引かれ、松本さんの前にしゃがむと松本さんから見下ろされる
｢その辺の綺麗なモデルよりよっぽどAちゃんの方が気になってる｣
私の目をまっすぐ見て言う目の前の王子様
ドキドキして目が合ってるのが恥ずかしくて目をそらす
｢えっと、…｣
潤｢はは、困ってる顔してんな(笑)｣
掴んだ腕を離し頭をガシガシ撫でられる
潤｢もっと俺で困ればいいのに｣
悪戯にニヤッと笑う松本さん
唇の下のホクロが見える
今まで爽やかで優しい王子だったのに急にドSな黒王子に見える
潤｢じゃあ、お疲れ｣
クルっとパソコンに再び向かい仕事に戻る松本さん
｢お、お疲れ様でした｣
今日1日脳内松本さんに乱されまくってる
”もっと俺で困ればいいのに”
松本さんの口から放たれた言葉がループしている
てかどんなに女子に騒がれようと爽やかに対応してた王子がいつもと雰囲気が違うとちょっと戸惑う
今までなら私が困ってたら｢どうした？大丈夫？｣って優しく心配してくれてた
頭が混乱してる中、エレベーターが私のいる階に着く
ドアが開き乗ろうとすると
｢…あ、｣
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作者名：夢叶 | 作成日時：2019年8月25日 22時
