#大切なもの ページ9
『あのさ……』
澤村 「ゆっくりで構わんよ。」
『うん……
私、私ね。
今回ユース合宿行って、久しぶりに沢山バレーして、凄く幸せだったの。
楽しかった。膝が、手首が使えなくなったらって思ったけど、そんなこと一切なくて。
痛みも一切感じなかったの。
バレーしたいってまだ続けていたいって思った。』
止まりながら、涙をうっすら浮かべながら話す私のことを
3人は黙って見守ってくれてる。
隣に座るスガさんは、優しく手を握ってくれていて
目の前の2人は微笑んでる。
大丈夫だ、何があっても
とそう伝えるかのような顔をして。
『でも、でもねっ……
もし、私が選ばれて……日本代表になったら
大好きな人と……大切な人と一緒にいられなくなるかもしれないって思って…
っ……それ、に
私はちゃんと大学も行って卒業したいとも思ってる…
だけど、日本代表になったら忙しくなるだろうし…
ちゃんと4年で卒業出来ないかもしれないっ……
そんなことになったら、お母さん達にも迷惑かけちゃう…』
母 「母さんはAがやりたいと思うなら、全力で応援するわよ!
それに4年で卒業出来るかどうかなんて、やって見ないとわからないじゃない!」
澤村 「俺は、Aが決めたことに口出しはしないよ。
ただ、中途半端なことは許さないけどな。」
菅原 「ほんとはさ…もっと落ち着いてから俺の受験が終わってからにしようと思ってたんだけ、ど…。
俺はAが日本代表になっても、絶対離れたりしないよ。
むしろサポートするために近くに居たい!
今Aがマネージャーとして俺達のこと支えてくれてるみたいにさ
俺だってAのこと支えたい。
それに………ちゃんとAのこと養っていけるようになるつもりだ。」
ス、ス、スガさん!?
それって、あの
もうほぼプロポーズというか
え、ちょっと……
待って焦る。
澤村 「なっ…!?」
母 「まあ、スガくん!」
『わ、ちょ、えぇ……
け、けどそれって……』
「「「頑張れ!」」」
澤村 「いやー、妹がスター選手になるの楽しみだなぁ。期待してっからな!」
『あ、先に言っておくけど……
私、大学無事に4年で卒業出来たら、それと同時に引退するからね!バレー!
その後は、スガさんと一緒に過ごすから。』
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