兄に妬みを。父には承認欲求を。３【僕のヒーローアカデミア】 (ページ45)

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事前に配られたオレンジ色のクラスＴシャツに着替えてメイクを直し、控室から出ると同じくクラスＴシャツを着た爆豪がドアのすぐ横で待っていた

爆「文化祭、一緒にまわンだろ」

『うん』

冷猫は頷いて爆豪の横についた

『ちゃんと見てた？』

爆「ああ」

『どうだった？』

爆「言わなくても分かンだろうが」

恥ずかしいのか爆豪は頑なに言おうとしない。でも冷猫はまぁそれでも良かった

爆「どっか行きたいトコあるか」

『アスレチック。あれ超楽しそう』

雄英名物文化祭限定アスレチック。毎年、1位の人には景品が与えられるらしい

夕方４時半にもう一度ステージに集まらないといけないから、それまでにアスレチックを終えた後はお化け屋敷とかダンス部のステージを見たり、屋台で色々買って食べてみたり…とか

一番大変だったのは間違ってロシアンルーレット的なアレのたこ焼きを買ってしまった事

そしてそれを知らずに一つ食べてしまい、運悪くソレは中にハバネロソースが大量に入っているヤツで暫く痛かった

通知がうるさいなぁ、と思ってスマホを開くと開始前にSNSに上げたドレス姿の自撮りが大バズリしていたり

『…そーだ爆豪』

爆「あ？ちょっ、！？」

冷猫は爆豪の肩を一気に抱き寄せ、ひっついた状態でツーショットを撮った

『これ、SNSにあげていい？』

爆「それならもっかいちゃんと撮り直せ！！」

今度はちゃんと整った状態で写真を撮る

うん、ちゃんと盛れてる

他撮りも欲しいな、と思って誰か知り合いがいないか探していると、エリを連れた相澤先生が近くにいた

『相澤先生、写真撮って』

相「俺なんかに頼んでどうする。隣にマイクいるだろ」

『あ、じゃあマイク先生。撮って』

やけにテンションの高い先生に写真を撮ってもらい、スマホを受け取る

エ「……あ、この人、」

すると相澤の隣にいたエリが声を上げた

エ「氷の、お空飛んでた人…」

『…エリちゃん、だっけ』

冷猫は記憶を掘り起こす

そういえば、こんな子も来てたな

エ「お人形さんみたい……」

きっとさっきのパフォーマンスの事だろう

エリは大きな目をキラキラとさせて冷猫を見つめる

一方の冷猫は、そんな眼差しで見つめられる事が一度もないので少し小っ恥ずかしいそう

『…ありがと、』

エ「うん！」