兄に妬みを。父には承認欲求を。３【僕のヒーローアカデミア】 (ページ32)

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『ほんと…？』

爆「この俺が嘘付くとでも思ってんのか」

その言葉を聞いた冷猫の目がキュッと細くなる

『良かった』

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その数日後の放課後、今度は冷猫が普通科の男子に呼び出された

「俺…ひと目見た時から轟さんの事が好きで…だから俺と付き合って欲しい…！！」

男は、爆豪の時とは違ってしっかりと冷猫の目を見つめながらそう言う

だけど、冷猫はこの男の事なんか全く知らない

そしてこの光景を、教室の中から爆豪がじっと見ていたのだ

『…私、アンタに興味ないから』

冷猫は冷たくそう言うが、男は粘って何とか首を縦に降らそうとした

爆「オイ冷猫(・・)」

教室の中から爆豪が出てくる。しかも氷女、とか、てめェ、とかじゃなくて名前をしっかりと呼んで

爆「はよ帰って化学やンだろ」

爆豪は男をジットリと睨んでから冷猫へと視線を向ける

『そうだね、早く帰らないと。じゃあね』

「あっ、まっ…！！」

呆然とするソイツを他所に、二人はいつもより近い距離でその場を後にした

『爆豪、名前やっと呼んでくれたね』

爆「てめェが知らねェクソモブに告られるからだろうが」

『…戻った。ってゆーか爆豪、さっきのもしかして嫉妬？』

冷猫は首を傾ける

爆「…………うるせェ」

嫉妬だ。だけど爆豪が素直に言える筈がなく、思わず悪態をついてしまう

けれども冷猫はどこか酷く嬉しそうに目を細めた

『嬉しい』

爆豪を見つめる真っ黒の目は、一度入ってしまえばもう一生抜け出せない沼のようにドロドロとしていて、それに見つめられている爆豪は恍惚とした感情に溺れる

気付かぬうちに、両者共が互いの沼へと堕ちていた

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爆豪は多分嫉妬深いだけで冷猫よりが重くない筈……

共依存はあまり好きではないから調整していきたいなー

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