兄に妬みを。父には承認欲求を。３【僕のヒーローアカデミア】 (ページ30)

今日:9 hit、昨日:94 hit、合計:91,357 hit

127 ページ30

.

「っあの…！私…ずっと爆豪くんの事をかっこいいって思ってて…！」

昼休み、いつものように爆豪と一緒にご飯に行こうと思っていたら経営科の女子生徒が爆豪を呼び出した

「ちょっと待っとけ」、と言われたから教室で大人しく待っていると、余程成功する自信があるのか、廊下から聞こえてきたその声

「だから…っ、その…もしよろしければ…私とお付き合いをさせて頂けないでしょうか…！！」

顔を赤らめそう言う彼女を、爆豪は見つめた

それを見た瞬間、冷猫の中にはあのドロッとしたモノが溢れた

もし、もし爆豪があの子と付き合ったら？私はどうすれば良い？どうすれば良いの？今、今ここで飛び出して爆豪を食堂に連れて行く？でもそれでもし爆豪に嫌われたら？どうするべき？

頭がぐるぐると回って、イヤな感覚に襲われる

そして、爆豪は口を開いた

爆「…俺、てめェの事知らねぇ。もし俺の事を顔だけで判断したなら一生話しかけてくんな」

「えっ…あっ…ちが…」

爆「人待たせてんだ」

爆豪がその子に向かって言った言葉を聞いて、冷猫の中にあったドロドロはスッと消えていく

爆豪と目が合った冷猫は、爆豪の側へ駆け寄った

振られた女子が冷猫の姿を見て、一気に諦めたような表情になる。そして、二人に頭を下げてその場を後にした

『…お腹空いちゃった。早く行こ』

冷猫は思わず口角が上がってしまいそうになる

爆「……っ時間ねェからさっさと行くぞ」

いつもより少し歩く速度を速めるが、それでも爆豪は冷猫の歩幅に合わせて歩いてくれている

『…ねぇ爆豪、』

爆「ンだよ」

冷猫は爆豪に声を掛ける

『………爆豪は、私を置いていかないよね？』

そして冷猫は我に返った

待って今の絶対引かれた。嫌われた？嫌嫌嫌嫌無理無理無理！！！！

『あっ…ちが…その…っ、』

冷猫は顔を青くして訂正をするが、どうやらその必要は無かったようで

爆「言われなくても、てめェを置いていったりなんかしねェわ」

爆豪はまんざらでもない様子でそう答えた

.

冷猫は絶対重い。めちゃくちゃほんのりメンヘラ気質だったらいいなーなんて

.