兄に妬みを。父には承認欲求を。３【僕のヒーローアカデミア】 (ページ24)

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轟「お前が腕を切ってるって知った時、どうすれば良いのか分からなかった。今までお前に関わろうとしなかった癖に、何か言って意味があるのかって思っちまった。その時には、お前が俺を嫌っている理由に薄々気がついていたから尚更

高校に入って、お前と関わる機会は嫌と言うほどあったのに、俺はお前に関わろうとしなかった。今までお前を避け続けていたから、今更どう接すれば良いのか分からなかった

だけど体育祭で、緑谷が俺に言ってくれたんだ。”左側はお前の力だ”って。俺はずっと、左側を親父のモノだとして扱っていたから、初めてそう言われた時、俺は初めて親父を忘れた

アイツは、人の抱えてたモンをブッ壊して来やがった」

あの言葉は冷猫にとっても色々と衝撃的だったから、嫌でも覚えている

轟「…それにお母さんに昔言われた事を思い出した。母さんは俺に向かって、”なりたい自分になって良い”と言っていた。だからずっと行かなかった母さんの見舞いも行ったし、お前とも少しずつ関わっていこうと思った

けれどよく考えたら俺はお前の気持ちを一切無視して、自分の事だけを考えてた。お前の言う通り、俺はお前の事を何一つ分かっちゃいなかった

あの後、爆豪が俺の胸倉を掴んで怒鳴ったんだ」

冷猫はえ、と声を漏らす

轟「だからお前には関係ないだろって答えたらアイツ、”てめェアイツが今までどんな思いで過ごしてきたのか知ってて言ってんのか”って怒鳴り返して来やがった

俺は知ってるって返そうとしたけど、あの時のお前の言葉を聞いて俺はお前の事を何一つ知らないんだって初めて気付いた

…ずっと後悔してた。お前の気持ちなんか何一つ知らねェで、俺は自分の事だけ考えて行動していた。俺はあの時お前に酷ェ事を言っちまった

許せとは言わねぇ。これからは仲良くしようとも言わねぇ。俺はただ、お前に謝りたい

今まで、すまなかった」

轟は冷猫に頭を下げた

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