英雄に非ずんば。【僕のヒーローアカデミア】 (ページ46)

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『失礼します。１年Ａ組の西凰です、相澤先生いらっしゃいますか』

職員室のドアをノックすれば奥の席から顔を出した相澤

相「すまん、今手が離せんから来てくれ」

何気に初めて入る職員室に少し緊張しながらも相澤の席まで足を進めた

『これ、職場体験先の希望書です』

相「もう決まったのか」

『はい』

職員室の中はコーヒーの匂いがして少し羨ましく感じる

相「はい、預かりました」

『ありがとうございます。失礼しま、』

相「ちょっと待て」

相澤の席を後にしようとすると呼び止められた

何だろう、と思っていると頭に巻かれている包帯をピッと指さされた

相「ソレ、どうした。手と足もそうだ」

あと顔も、と言われ杏咒は目線を逸らす

あの時はべらべら話しちゃったけど、できれば家の事はあまり他人に話したくない

もし話した事がバレたらどうなるか相手も私もどうなるか分からない

『…休みの時家の人間と喧嘩したの』

まるで”入ってくるな”とでも言うようにそう答えた杏咒に、相澤はそうか、とだけ答えた

相「喧嘩するのは良いが、程々にしろ。痛むようならばあさんトコ行っとけ」

杏咒は分かった、とだけ返事をして職員室を後にした

マ「おいイレイザー、あれ…」

相「ああ、アレは完全にやられてるな」

一応教師全員、杏咒が御三家の人間だということは知っている

勿論、西凰家がどんな場所かもある程度は知っている

例えば男尊女卑が激しい事だとか、変に首を突っ込んだら只事では済まない事だとか

そして、相伝の個性を持って生まれた女は人生の始まりから終わりまでのレールをびっちりと敷かれている事も

相「西凰家…ヒーロー御三家の内の一つ…ありゃかなり厄介だな」

プ「どうするよ、西凰の事」

相「取り敢えずは、入って欲しく無いようだから今のままで行く。もし今以上に酷くなりそうなら一旦話をしてみる」

本来なら今すぐにでも家の方に話しをしに行きたい所だが、相手は御三家。しかも西凰家ときた

変に首を突っ込めば自分は勿論、周りの人間まで巻き込まれるかもしれない

かなり嫌だが、慎重に行くしか方法はないらしい

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