英雄に非ずんば。【僕のヒーローアカデミア】 (ページ27)

今日:11 hit、昨日:33 hit、合計:48,528 hit

26 ページ27

.

第３種目は一旦昼休憩を挟んでから開始されるらしい

トイレから出て胃に何か入れようと食堂に向かっていた時、今一番聞きたくない嫌な声が聞こえてきた

「あれ〜？杏咒ちゃんや〜ん！見てたで〜お疲れやなぁほんま！」

ニヤニヤと意地の悪い笑みを浮かべながらやって来た直哉に、杏咒の眉間に深い皺が寄る

もう無視して隣を通り過ぎようとするとガッと肩に回される腕

『離して』

「なんや〜？聞ぃこぉえぇへぇんなぁ〜？」

煽り散らかすソイツに、思わず物間の影が過るがこのドブカスはアイツよりも酷い

「それより杏咒ちゃ〜ん……なんやあの順位。舐めとんか」

耳元から聞こえる低い声に、血の気が引く感覚がする

「”西凰の名に泥塗んな”って言われてへんかったっけ自分。やのになんやあの順位は」

『……後ろから、ライバルの個性をじっくり監察する方が良いでしょ』

震えそうになる声を必死に抑えてそう答える

「あぁ〜、そうか〜、そうやなぁ、そうかもなぁ……やけどさァ、第二種目。アレ何なん？そこでもライバルの個性じっくり監察しとったんか」

『……あれは、』

違う。アレは、アレは違う

２位は皆のせいじゃない。本気で１位を獲りに行った

『その場限りの１位に固執したって、意味ないでしょ？』

余裕取り繕って、バレないように

「そうやなぁ〜、ほんま杏咒ちゃんは賢いなぁ。…で、次負けたらどうなるか分かっとるんやろな」

『っ……』

固まる杏咒の肩をポンポンと叩き髪を乱暴に掴む

「負けたら俺と一緒に鍛錬やからな」

「精々気張りや〜！」と言い残しソイツは去って行った

『……クソ、』

杏咒は乱れた髪を直しながら薄暗い廊下を歩く

そして曲がり角を曲がった時、

爆「…あ」

爆豪の姿がそこにはあった

.