ファジー・スノー 2 (ページ24)

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負けねぇぞページ24

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3連休中のある日、特に予定もなくのんびりしてる私に届いたLINEには景色に携帯を向けている後ろ姿が写し出された写真があった。

"めっちゃ綺麗だよ"

さっくんの背中越しの景色は確かに綺麗で、景色をシェアしようとしてくれる中にも愛しの彼氏の姿を入れ込む凛に微笑ましさで思わず笑う。

あのカップルはこの3連休を使って小旅行に行っているようだった。付き合って初めての旅行ということもあり、ここ数日の凛は少し浮かれていた様子で。

"お土産待ってまーす"

そんな返信をして携帯を置くと、さっきまで朝な感じがしていたのにもう午後に差し掛かっていることに気がつく。

買い物は昨日済ませてしまったし、外に出る用事はない。でもせっかく明日も休みだと言うのに今日ずっと家に篭っているのも勿体無い気がする。

別に今日はのんびりする！と決め切ってもいいのに、時間の流れの速さを実感するとそんな気持ちになるのはなぜだろうか。

「んー……今から誘うのはなぁ」

LINEの友達をスクロールして遊べる人がいないかと吟味するけど、そもそも3連休の予定なんて多分みんな事前に立てているだろうし気軽に誘える人と限定するともはや凛とかの話になってくるわけで。

私、意外と友達いないのかもなぁなんてちょっぴり寂しい気持ちになる。

"見て、ふっかみたい。笑"

そんな時、こんなLINEが凛から届く。
見てみると旅行先にある銅像がたまにふっかがやるアワビの顔に似ていると写真が送られてきた。

ちなみに、爆笑してるさっくんの写り込み付き。

「ふっか…か」

比較的上の方にあるふっかとのトークルーム。

"気づいてないの？Aも毎回赤くなってんの"

あれから考えないようにしていて、ようやく思い出さなくなってきたところだったのに。その表示されている名前を見るといとも簡単に浮かぶあの表情。

「……いや、考えすぎだよきっと」

例えなんだか思わせぶりな態度をとっていたんだとしてもそれは酔っていたから。本人は覚えてもいないかもしれないし、ただ私が変に記憶しているだけ。

"暇？飲みに行かない？"

何もしない休日の勿体なさと天秤にかけたらその方が軽いと思い込んだ私。

"いいよ、何時にする？"

そのトークルームを閉じる間もなくすぐにきた返信。"暇かよ、笑"なんてちょっと笑ったけど、別に私もだ。

私たちは凛とさっくんが捕まらないと暇でしかないらしい。