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あの頃より強くなったのか量的には少ないからなのか潰れているわけではないものの、それを思い出すほどに今日のふっかは顔が赤いのだ。
「側から見ててもはや可哀想だったもんなぁ」
「だからーやめろって」
口ではそう言うもののヘラヘラしている時点でやっぱり酔ってはいるのだろう。
「ちゃんと帰ってよ？今日は」
「あったりまえじゃん」
あの時は顔の赤いふっかを遠くから見ていたけど、今は真っ正面だ。あの時はどうだっけ、もう好きだったんだっけか。
「おっ、きたきた」
ラーメンが運ばれて来たのを見て嬉しそうに笑う。
その顔が何だかいつもより無邪気で子供らしくもあった。
「まじでね、ここもめっちゃ好きなんだよ」
私の前にも運ばれて来たラーメンを見て目を輝かせて言う。
「美味しそう」
「うまい、まじうまい」
明らかにテンションが上がった彼を見て単純だなぁと思わず笑った。そんな私を見て何を言うわけでもなく自身も笑ったふっか。
いただきまーすとしっかり挨拶をして箸を割った。
「うめ〜」
幸せそうだ。
不思議なもので、そんな姿を見ると微笑ましくなってしまう。やっぱり彼の恋人はラーメンなのかもしれない。
しばらく黙ってラーメンを啜った私たち。
ふっかの顔の赤みは治まることはなく、むしろラーメンの熱気でさらに頬が赤くなったような気がする。
「ん、なに？」
「……あ、いや。別に」
「めちゃくちゃ見るなーって思って。何、俺の顔がカッコよくて見惚れた？」
「真っ赤じゃん、とは思ったけど」
「お前も人のこと言えないよ、ほっぺ赤い」
そうなのか。
思わず手で頬を触るとまた笑ったふっか。
「…だとしたら熱気のせいだよ」
「じゃあ俺だってそうじゃん」
水を流し込む。
ごくごくと喉仏が上下する彼の首。
「でもさぁ」
コトン、グラスが置かれる。
「お酒飲んでとか、あったかいもの食べて赤くなる女子って可愛くない？」
「……はい？」
急にどうした。
「佐久間も言ってた」
「…あぁ、凛もよく赤くなるからね」
「じゃあ俺も可愛いってことに」
「ならないね」
食い気味に突っ込めば楽しそうに笑う。
「あれは凛みたいな子だから可愛いんだよ」
そして呆れたように言って水を飲んだ私を、ゆっくりと頬杖をついてから見つめたふっか。
「気づいてないの？Aも毎回赤くなってんの」
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作者名：ぽぷら
| 作成日時：2024年3月29日 22時
