ファジー・スノー 2 (ページ11)

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「そっかぁ。まぁさっくんはその気じゃないにしてもその同僚さん？に気持たれてたらいい気はしないよねぇ」

『そう、明らかなボディータッチだもん。絶対大介のこと好きじゃーん…』

ボディータッチ

その凛の一言で、コップのお茶を取ろうとしていた自分の手先で目線が止まる。

ピンクベージュのネイル。

ボディータッチという単語は特に異性間で体に触れることを表すことが多いように感じる。それはやはり恋愛的な表現や、異性というものが強調されるからで。

異性へのアピールや、ある種テクニックとしてされる

"ボディータッチ"

『それでさぁ、なんかめんどくさい女だなと思われるのも嫌で大介に聞けなくて』

「……あぁ、うん。まぁそうだよねぇ」

『でもなんか、はっきり何もないよって言ってくれないと勝手に変なこと考えて不安になるんだよねぇ』

凛の声でハッと意識を戻す。
いけない、今私は親友の話を聞こうとしてるのに。

「でもさっくんならちゃんと話してくれそうだけどね」

『そう？』

「うん、さっくんって凛のことほんと大好きだし。こうやって凛を不安にさせちゃったんだなって気づけばすごく真摯に向き合ってくれると思うけどなぁ。めんどくさいだなんて思わないよ」

自分の知らない人間関係を写真を見ただけで深入りしたり変に疑ったりするのは確かにめんどくさいと思われるんじゃないかと不安になる気持ちは分かる。

けど凛ほどではないにしても大学時代から彼を見てきたからこそ、さっくんは絶対にそんな事思わないと分かる。

「だからさ、これ見て不安になっちゃったってこと正直に言ってみたら？それに隠さず写真見せてるんだからそもそもなんとも思ってないんだろうし」

凛を見る彼の愛おしそうな目を見ていれば分かる。

『うーん…』

「大丈夫だって、私何年2人のこと見てきたと思ってるの？今まで見たどんなカップルよりラブラブだからね？君たち」

もしこれが喧嘩に発展でもしようものなら私はひっくり返ってしまう。2人は絶対にキツイ言葉を投げかけるような人じゃないし、ちゃんと話し合いもできる人だ。

『ふふ、やめてよそのバカップルみたいな』

「よく言うよ」

少し元気を取り戻したらしい凛はちゃんと話してみると言って電話を切った。凛はさっくんのことになると慎重になりすぎるところがあるけど、ここまでくればきっと大丈夫だろう。