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そう言うと少しホッとしたような表情をした彼。
お味噌汁をおにぎりに持ち替えた。
「でもあれだよ？私自身のエピソードは本当に何もないし面白くないからね？」
「俺も掘られるとか変に追求されるのは嫌だよ、なんて言うかそういうお弁当作ってもらいたいと思うー？みたいなさ」
「あー、一般論とか考え方とかの話？」
「そうそう、つまり雑談のジャンルが恋愛ってだけの話」
確かに、別にプライベートな事はもちろんだけど阿部ちゃんをはじめとする会社の人とそういう話はした事がない。彼の言う通り考え方とかその類の話なら別にそれなりに親しければ阿部ちゃんじゃなくとも抵抗は無かった。
「で、お弁当を作ってもらいたいか？」
「あー、うん」
「そりゃあその憧れはあるけど、やっぱ大変なんだろうなってイメージが強いから一緒にというか…自分と相手の普段が平等になる形があれば理想的かなぁ」
「…なんか、今の時代に沿ってる答え方だね」
「あは、まぁね。でも本心よ？」
多様性とか男女平等とか…色々なものが謳われてそれに神経質な時代。別に誰に聞かれてるわけでもないのにそんな各方面への配慮が行き届いた答え方に彼らしいなぁと思った。
「確かに女性がお弁当を作る！みたいな価値観を堂々と発言すると燃えるような世の中だし実際にそう決めつけるのは私もおかしいとは思うけど…でもやっぱり料理を好きになるとか頻繁にやるっていう人は女性の方が割合的には多いんだろうし…難しいよねぇ」
「え、そういう話？」
「え？」
「いや、これじゃ恋愛というかもう世間話だよ？」
クスクスと笑う阿部ちゃん。
確かに、別に今は多様性とか平等の考え方の難しさについて討論したいわけじゃない。
「なんでそんな事聞いたの？」
「えー…あー……特に意味はないんだけど」
「ないんだ」
「それこそ雑談？だよ、何気なく聞いてみました的な」
ただ、特に意味があったわけではなく。
強いていうなら"私が作ってあげようか？ってセリフは流石に少女漫画か"っていう自分の中のツッコミから派生した問いだ。
「そっかぁ」
「阿部ちゃんの恋愛雑談あれば全然聞くよ？」
「あはは、考えとくね」
私の恋愛雑談なんて、今後生まれる事もないんだろうなぁなんて。私は最後の卵焼きを口に放り込んだ。
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ぽぷら(プロフ) - ayaさん» ありがとうございます！もう少しでラストスパートなので、引き続き楽しんでいただけたら嬉しいです☺️ (4月8日 20時) (
レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 今回も好きなお話で一気に読みました！胸がきゅーっとなります！！ (3月24日 22時) (レス) @page47 id: ff23500b61 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぷら(プロフ) - 優希さん» ありがとうございます☺️ゆっくり更新にはなりますが楽しんでいただければ幸いです！ (3月15日 21時) (レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
優希(プロフ) - 見つけた瞬間飛び起きました👏もう面白くてわくわくしてます！😍 (3月5日 23時) (レス) id: 9e7ca0af4f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽぷら
| 作成日時：2024年3月1日 23時
