たまごやき ページ6
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仕事で嫌なことがあった。
どう考えても理不尽で上司という立場を使って良いように言いくるめられた。反論もしたけど、周りの空気が"まぁまぁ終わったことだし"って続けることを許さなかった。
「……あーもう！！」
がしゃん、と自宅のドアを閉めた瞬間に漏れた声は心の中で溜まった色んなものが詰まっていた。
でもその一回で全てを消化することはできずに、ぼふっとソファに体を投げ出しながらアプリを開く。
すぐに見つけた彼女とのトークルームを開き、文字を打とうとしたその一瞬
"週末は一緒にいるかな"
そんなやりとりの一部が見えて。
「……邪魔しちゃ悪いか」
きっと彼女の事だから飲も飲も！なんて言ってくれるだろうけど、せっかくできた恋人との時間を奪ってまで私の愚痴を聞いて欲しいとは思わなかった。
あぁ、友達に彼氏ができるってこんな感じだったかも。
学生の時、よく話していた子の恋が実った時のことを思い出した。私と遊んだりする時間を極端に減らされたわけではないけれど、その恋の相談を含めよくご飯に行っていたからそんな時間が急に減ったように感じたのだ。
バイト先の子だった。今彼女は元気かな、まだ2人は続いているのだろうか。
トークルームを閉じて背もたれに身体を預けた。
別に寂しいとかそんなんじゃないけれど、切ない？もどかしい？
いや、形容できないような不思議な気持ちになった。
「……あー、むかつく」
ただそれも、すぐにあの上司と周りへのモヤモヤが覆ってしまって。とにかく話を聞いてくれる人はいないだろうかとスクロールしてすぐ
【深澤辰哉】
その名前が目に入る。
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「珍しいじゃん、俺のこと誘うとか。あいつらもうくっついたのに」
次の日に私がいたのは居酒屋。
対面で座るこの人は注文用のタブレットを見ながらそんなことを言う。
「くっついたからだよ」
「えぇ？」
「いつもだったら凛の事誘うけど…さっくんと一緒にいるって聞いてたから」
そう返せばタブレットから目線を一瞬こちらに向けてフッと笑った。卵焼き食べる？と聞かれて頷けばそれと共にいくつかのおつまみを注文してボタンを押す。
「俺もいつものノリで買い物誘ったら断られた」
「私は断られる前に気遣ったんだもん」
「俺が気遣えないってか？」
「そんなこと言ってないじゃん」
卵焼きは、私が居酒屋で絶対頼むメニューだ。
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ぽぷら(プロフ) - ayaさん» ありがとうございます！もう少しでラストスパートなので、引き続き楽しんでいただけたら嬉しいです☺️ (4月8日 20時) (
レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 今回も好きなお話で一気に読みました！胸がきゅーっとなります！！ (3月24日 22時) (レス) @page47 id: ff23500b61 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぷら(プロフ) - 優希さん» ありがとうございます☺️ゆっくり更新にはなりますが楽しんでいただければ幸いです！ (3月15日 21時) (レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
優希(プロフ) - 見つけた瞬間飛び起きました👏もう面白くてわくわくしてます！😍 (3月5日 23時) (レス) id: 9e7ca0af4f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽぷら
| 作成日時：2024年3月1日 23時
